妊娠を心待ちにしている時、「着床出血」の有無でその可能性を知ろうとやきもきしている女性もいることでしょう。ここでは、妊娠と着床出血の関係や、妊娠した場合は必ずあるものなのかどうかについて紹介します。

この記事の監修ドクター 窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

妊娠と着床出血の関係は?

妊娠とは、受精卵が子宮内膜に「着床」することで成立します。

もう少しくわしく説明すると、卵巣から排卵された卵子が卵管で精子と出会いひとつになって(受精)、その後、細胞分裂を繰り返しながら卵管から移動し、たどりついた子宮内膜に潜り込む(着床)。この流れがうまく進んではじめて「妊娠」できるのです。

つまり、「着床=妊娠の成立」なのですが、では、「着床出血」と妊娠の関係はどのようなものなのでしょうか?

「着床出血」とは

「着床出血」は、さきほど説明した「着床」によって起こることがある出血のことです。

卵子と精子が受精してできる「受精卵」は、細胞分裂により「胚盤胞」という段階へと成長しながら卵管から子宮へと移動していきますが、胚盤胞が「着床」で子宮内膜にもぐりこむ際、「絨毛」という組織をちょうど植物の根のように伸ばしていきます。この時出血することがあり、これが「着床出血」と呼ばれるものです。

着床出血は妊娠すると必ず起こる?

着床出血は、文字通り「着床」によって起こることを説明しました。では、妊娠した場合、「着床出血」は必ず起こるものなのでしょうか?

着床出血はないことのほうが多い

実は、着床出血がみられるのは、データにより幅がありますが、妊娠した女性のうち8〜25% [*1]と言われています。つまり、妊娠していても起こらない場合のほうが多いのです。

気づかなかった可能性も

また、着床出血は、起こったとしても「出血」というほど血が出ないことが多いとも言われています。下着やトイレットペーパーに淡いピンク色や濃い茶色のおりものが少し着く程度で、見逃してしまう可能性もあります。

生理開始予定日を過ぎたら妊娠検査薬を使ってみよう

このように着床出血は妊娠したら必ずあるというものではないうえ、たとえあっても見逃してしまうことがありうるので、着床したかどうかが気になるのなら、やはり妊娠検査薬を使ってみるのが一番です。ただし、通常タイプの妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後からの使用が勧められています。

これより早い時期も使用できないというわけではありませんが、「実は妊娠しているのに陰性」という検査結果になる可能性があります。フライング検査については下記の記事を参照してみてください。

【医師監修】妊娠検査薬ってフライングで使ってもOK? 早く使える検査薬と注意点
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/7766

妊娠検査薬はできるだけ適切な時期に使用し、陽性が出たら、きちんと子宮内膜に着床しているか調べてもらうために、産婦人科を受診して超音波検査を受けましょう。

まとめ

妊娠と着床出血の関係について紹介しました。着床出血は妊娠すると起こる可能性がありますが、妊婦さんのすべてにあるわけではなく、むしろ起こる人のほうが少ないものです。また、「出血」というほどの血液量は出ないので、ちょっと色がついたおりものと勘違いすることも。着床したかどうかが気になる場合は、適切な時期に妊娠検査薬を使ってみましょう。

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]池ノ上克ほか:「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます