妊娠の過程で起こるという「着床」。着床には、どんな意味があるのでしょうか。ここでは、妊娠と着床の関係、妊娠のしくみと流れに加え、妊娠、着床に影響を与えるものについても紹介します。

この記事の監修ドクター 窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

妊娠と着床の関係は?

まずは、着床を含め、妊娠するまでに起こることを整理しておきましょう。

妊娠のしくみとその流れ

赤ちゃんを妊娠するまでには、おおまかに分けると「排卵」「受精」「着床」という段階があります。これらがうまくいってはじめて妊娠することができます。

「排卵」は、卵巣から卵子が基本的には1つ排出されること。排卵によって、卵子は卵巣から卵管に移動し、そこで精子と「受精」します。

妊娠の成立=着床

受精によって、受精卵ができます。ただ、この段階ではまだ妊娠したとは言いません。受精卵が卵管から子宮まで移動し、子宮内膜にもぐりこんでいくことを「着床」と呼びますが、着床したことでようやく「妊娠した」と言えるようになります。

妊娠、着床に影響を与えるものとは

さきほど、妊娠するまでに起こることをおおまかに説明しました。もちろん、妊活をすればかならず妊娠するわけではありません。避妊せずにセックスをして妊娠する割合は、タイミングが合っていても、20歳前半で30%、30歳で20%、35歳で10%程度とも言われています[*1]。

ここでは、妊娠するかどうかを左右する事柄について紹介します。

育っていける受精卵ができるかどうか

まず、女性が排卵しているかどうか、男性の精液に精子が含まれているかどうか、これらがタイミング良く出会えるかどうかなどにより、受精できるかどうかが左右されます。

また、受精して受精卵ができたとしても、実はそのうち約45%はもともと染色体に異常があって、無事に育っていけないと言われています[*2]。

受精卵が卵管から子宮に移動できるかどうか

受精卵の染色体が正常だったとしても、卵管から子宮に移動し、子宮内膜に着床しないと育っていくことができません。このとき、閉じていたり、狭まっていたりなど、卵管に異常があると受精卵は子宮にたどりつくことができません。

着床に適した子宮内膜になっているかどうか

子宮にたどりついた受精卵は、子宮内膜に着床しようとしますが、子宮に異常があると着床することができません。具体的には、子宮筋腫やポリープ、子宮奇形や発育不全、手術後の癒着などがあると、受精卵の着床は妨げられてしまいます。

また、受精卵が子宮に到着したとき、子宮内膜は「脱落膜」というものに変化している必要があります。これは、子宮内膜が自分とは異なる受精卵を受け入れるために必要で、同時に受精卵に栄養を供給するためにも必要な変化です。

妊活中、気を付けたいこと

ここまでで解説したとおり、受精卵ができてそれが子宮内膜に無事、着床するまでには、いくつかの過程があって単純ではありません。妊娠を望む場合は、まずは、何か改善できる異常がないか医療機関で調べてもらうことをおすすめします。

医療機関でのチェックが済んだら、排卵日の3日ほど前から夫婦生活をもつようにする、適正体重を保つ、喫煙はしないなどに努めてみると良いでしょう[*3]。よりくわしい情報は、下記の記事も参照してみてください。

【医師監修】妊娠しやすい日はいつ?排卵日との関係性とは
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/31

【医師監修】妊活中に実践しておきたい! ブライダルチェック・貧血対策など5つの準備
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1051

【医師監修】40代女性の自然妊娠確率と妊娠を望む場合に心がけたいこと
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/176

まとめ

ここでは、妊娠と着床の関係、これらに影響を与えること、妊活中、気を付けたいことについて紹介しました。受精卵が子宮内膜に着床したことをもって「妊娠が成立した」ことになりますが、もちろん排卵や受精などがなければ着床も起こりません。妊娠を望むなら、まずは医療機関でパートナーとともに体のチェックをしてもらいましょう。

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本産科婦人科学会編著:HUMAN+, p.62, 2018.
http://www.jsog.or.jp/public/human_plus_dictionary/book_vol2.pdf>
[*2]関沢明彦ら:高齢妊娠と胎児異常,日本医師会雑誌 第139巻・第10号,2011.
[*3]Optimizing natural fertility: a committee opinion. Fertil Steril. 2017 Jan;107(1):52-58
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(16)62849-2/fulltext>

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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