妊娠するかどうかを左右する「着床」。これはいつ起こるのでしょうか。ここでは、着床の起こる期間と、着床に至るまでの妊娠のしくみ、着床の際に見られる症状はあるのかについて紹介します。

この記事の監修ドクター 窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

着床する期間はいつ?

「着床」とは受精卵が子宮内膜にくっつき、潜り込んでいくことです。これはいつ起こるものなのでしょうか。

生理開始予定日の数日前から起こる

着床は、妊娠していなかったら生理が始まる予定日の前の週に始まり、およそ一週間かけて完了します。

受精から数えると、着床し始めるのは受精後5〜6日ごろのことで、12日ごろには完了します。

妊娠のしくみとは

妊娠が成立するメカニズムのなかでも、「着床」はとくに重要です。着床が起こるまでの流れとともに、もう少しくわしく見ていきましょう。

受精ののち着床することで妊娠する

排卵

妊娠前の最後の生理が始まった日から数えて、生理周期が28日の人の場合は、14日後ごろに「排卵」が起こります。

排卵とは、生理周期ごとに卵巣から卵子が基本的には1つ、排出されること。卵巣から飛び出した卵子は、卵管の先にある卵管采(らんかんさい)という部分にキャッチされ、卵管のなかに入ります。

受精

卵管で、卵子と精子が出会い、精子が卵子のなかに侵入することで受精します。なお、卵子のなかに1個の精子が入ると、卵子の周囲にある膜が変化しほかの精子が侵入できないようになります。こうして受精卵ができます。

着床

卵管でできた受精卵は、卵管の内側に生えている線毛や卵管内部の壁が動くことで子宮まで運ばれます。この移動の間、受精卵は細胞分裂を繰り返し、「胚盤胞」という状態になります。

胚盤胞は子宮内膜の表面にくっつくと、その中に完全に埋もれるまで侵入していきます。この子宮内膜に入っていく過程のことを「着床」といい、着床をもって妊娠が成立したことになります。

つまり、排卵された卵子が精子と出会い、受精に成功したとしても、そこから着床にまで進まないと妊娠したことにはなりません。着床したかどうかが、妊娠を左右するカギなのです。

着床のときに感じる症状はあるの?

着床したことをもって、妊娠が成立すると説明しました。そんな大事な「着床」ですが、これによって何か症状を感じることはあるのでしょうか。

着床出血などの症状があることも

着床によって「着床出血」という軽い出血がある女性もいます。ただし、これは着床すると必ず現れるというわけではなく、妊娠した女性のうち8〜25%にみられるとされています [*2]。

そのほか、おりものの増加や乳房の張り、痛み、つわりのような気持の悪さ、味覚・臭覚の変化などを感じる可能性もありますが、これらは生理前に不調を起こすPMS(月経前症候群)でも起こる症状です。症状から着床の有無を確実に知るのはちょっと難しいと考えたほうが良いでしょう。

【医師監修】妊娠初期を見分ける16の症状チェックリスト!兆候はいつから?
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/67

まとめ

着床が起こる期間と妊娠とのかかわり、着床による症状はあるのかどうかを紹介しました。着床は、女性の胎内で起こるとても小さな変化ですが、妊娠するかどうかを左右する、妊活中の人にとってとても気になる現象です。無事着床したかどうかを症状から知るのは難しいので、適切な時期に妊娠検査薬を使って調べてみましょう。

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]病気が見えるvol.10産科, p.6, 2018.
[*2]池ノ上克ほか「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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