排卵日のあたりは妊娠しやすいとよく聞きますが、その時期がいつごろなのかの目安はどのようにして知るものなのでしょうか。そもそも排卵日には、体の中でどのようなことが起きているのかも含め、排卵日を把握するための方法を解説します。

排卵日を知ろう!

赤ちゃんが欲しいのになかなかできないという悩みを抱えている夫婦は少なくありません。そのような時、まず試してみたい方法は、排卵日を把握してそのあたりにセックスすることです。

排卵日って?

赤ちゃんができる最初の過程は、女性の卵子と男性の精子が出会い、子宮内膜に着床することです。そこから妊娠がスタートします。では、卵子はいつも子宮にいて精子が来るのを待っているのかというと、そうではありません。

卵子はふだん、卵巣の中の卵胞(卵子を包む袋状の殻)にくるまれていて、定期的に(約1カ月に1回)、卵胞から飛び出します。これを「排卵」(❶)といい、排卵が起きた日が「排卵日」です。

飛び出た卵子が卵管に入るとともに、子宮では着床に備えて赤ちゃんのベッドになる子宮内膜を厚く変えていきます。その状態で、卵子と精子が出会って(❷)受精卵になり、受精卵が子宮内膜に着床(❸)すれば妊娠が成立します。

排卵日と妊娠確率の密接な関係

排卵日を狙ってセックスをした場合に、どのくらいの確率で妊娠が成立するのかを検討した研究があります。それによると、6回排卵を経験するまでに8割、12回排卵を経験するまでに9割が妊娠したとのことです。また、1回目でも3割の女性が妊娠するといいます[*1]。

排卵日のセックスが最も妊娠しやすい?

ということで、排卵に合わせてセックスをすると、かなりの確率で妊娠に成功することがわかります。というのも、精子の寿命が約72時間であるのに対し、卵子の寿命は約24時間(そのうち受精可能なのは10数時間ともいわれている、また体外受精のデータからすると、受精後も順調な発育するのは排卵後数時間)だからです。

つまり、精子と卵子が出会い、授精できる限られた時間を最も効率よく活用するには、排卵日当日にセックス、または排卵日の前日か前々日にセックスをして、精子が女性の卵管まで到達している状態でスタンバイさせ、そこに卵子が卵胞から飛び出していくほうがいいわけです。排卵日当日がよいのは、精子が腟に射精されてから、受精の場所である卵管膨大部に到達する時間は1時間ぐらいといわれているからです[*2]。

よって、最も妊娠しやすいセックスのタイミングは排卵日と排卵日1〜2日前ということです。なお、排卵タイミングのずれなどを考慮すると、3日前〜排卵日当日までの期間を中心にタイミングをとるのがいいでしょう。

といっても、まずは何より排卵日がいつなのかを知ることが第一歩であることにかわりありません。

排卵日の目安の割り出し方

排卵日の推測方法はいくつかあります。中でも一番簡便な方法は、オギノ式です。

生理周期から計算する

生理(月経)周期から排卵日を推測する方法が「オギノ式」です(タイミング法ともいいます)。

生理が来る14日前の前後数日が排卵期になります。

オギノ式はあくまで「目安」

手軽に始められるオギノ式ですが、生理周期を正しく把握するために、少なくとも6ヶ月間は記録をとることが必要で、計算をするのは正確な生理周期がわかってからです。

また、オギノ式は避妊法としても活用される場合がありますが、避妊の失敗率は高めで確実な方法とは言えません。

いずれにしても、オギノ式などのタイミング法は、目安程度に考えた方がよいでしょう。

排卵日をより正確に把握するには?

オギノ式よりも正確に排卵日を把握する方法を紹介します。最初は、基礎体温を測って記録する方法です。

基礎体温の記録を続けてみる

基礎体温は、朝目覚めた直後、まだ体を動かし始める前に測ります。

ホルモンバランスの影響を受けて変化する基礎体温は、生理が始まってからの約2週間は「低温期(低温相)」で、低温期の最終日ごろに排卵が起こり、この時期に最も低下します。排卵か起きると一転して「高温期(高温相)」となりますが、両期の差は、0.3〜0.5℃ほどです。

基礎体温を用いた排卵日の予測方法の原理は、以下のページに詳しい解説がありますので、ご覧になってください。

【医師監修】妊娠しやすい日はいつ?排卵日との関係性とは
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/31

排卵検査薬(排卵日予測検査薬)を使う

脳の視床下部にある下垂体から「黄体形成ホルモン(LH)」というホルモンが分泌され、排卵を促します。ですから黄体形成ホルモンが分泌されたタイミングがわかれば、これから排卵が起きることがわかります。

黄体形成ホルモン分泌のタイミングは、排卵検査薬で調べられます。オギノ式や基礎体温の記録から、およその排卵日を把握し、その数日前から排卵検査薬を使い始めるとよいでしょう。

さらに正確に知るには医療機関を受診

もっと正確に排卵日を知る必要がある場合、例えば不妊症の治療などにおいては、医療機関でさらに詳しい検査を行います。経腟超音波で卵胞の状態を観察し、卵胞が20mm近くの大きさになったら排卵直前で、卵胞が急速に収縮していたら、排卵が起きた直後ということです。

まとめ

次回生理予定日の約2週間前に排卵が起こると考えられます。これが排卵日の目安。ただ、生理周期は人によって異なり、変動があったり体調によって変わってくることも。計算による予測はあくまでも目安と考えてください。より確かに予測したいときや、排卵の有無を確かめたいときは、基礎体温の記録や排卵検査薬など他の方法も一緒に試してください。

この記事の監修ドクター 産婦人科専門医 齊藤英和先生
梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、昭和大学医学部客員教授、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

(文:久保秀実/監修:齊藤英和 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本産婦人科学会/Human+ > 思春期 > セックスって何のため?
[*2]Am J Obstet Gynekcol 47; 407-411,1944

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます