妊娠のかなり早い段階のことを、俗に「妊娠超初期」と呼びます。「妊娠中はおりものが増える」と聞くことがありますが、「ということは、おりものが少ないと妊娠していないということ?」と不安に思う人がいるかもしれません。「妊娠超初期におりものが少ない」ことはあるのでしょうか。早速見ていきましょう。

「妊娠超初期なのにおりものが少ない」ということはあるの?

おおよそ妊娠3週までのころを指して、一般的に「妊娠超初期」と呼ぶことがあります。妊娠検査薬を使うには早すぎる時期だけに、妊娠の兆候が現れていないか、体調のちょっとした変化にも敏感になるころです。おりものには妊娠したとき特有の変化はあるのでしょうか。

ここでは、まず妊娠した場合、よくあると言われているおりものの変化について説明します。

妊娠したら量が増える人も。でも個人差が大きい

一般的に、「妊娠するとおりものは増える」傾向にあると言われています。なぜなら、妊娠すると女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌量が増え、その影響で子宮頸管から分泌される粘液の量が増えるからです。

ただし、おりものの量は、もともとのその人の女性ホルモンの分泌具合や性器のつくりによっても影響されるので、人それぞれ。通常時の量はもちろん妊娠による変化も個人差が大きいので、その変化に気付かない人もいるでしょう。

「おりものの量が少ないから妊娠していない」とは言えない

また、このあと詳しく解説しますが、おりものは非妊娠時も生理周期とともに変化しています。妊娠超初期は、非妊娠時の生理周期で考えると、一般的にはおりものの量が少なめになる時期に当たります。

妊娠するとそこからエストロゲンの分泌量が増加し、それによっておりものが増えていくわけですが、妊娠超初期のころはまだそれほどエストロゲンの分泌量は増えないことが多いようです。

つまり、「妊娠超初期だけれどおりものが少ない」ということがあってもとくに不思議ではなく、「おりものが少ないから妊娠していない」とは言えないということです。

そもそも「おりもの」って何? なぜ変化するの?

最後に、おりものとはどういったもので、なぜ変化することがあるのかについて解説します。

おりものが変化する理由

「おりもの」は、子宮内膜や子宮頸管、卵管、腟、外陰部などからの分泌液に、はがれ落ちた細胞などの老廃物が混ざったものです。

これらの量と質は、おもにエストロゲンと、同じく女性ホルモンであるプロゲステロンにより影響を受けています。おりものが変化するのは、生理周期のなかでこれらの女性ホルモンの分泌量がそれぞれ変化するからです。

女性ホルモンとおりものの変化

生理周期に伴う女性ホルモンの変化により、おりものの質と量がどのように変わっていくのか具体的にみていきましょう。なお、繰り返しになりますが、おりものの変化は個人差が大きいので、以下で紹介するのはあくまで傾向であり、万人にあてはまるものではありません。また、同じ人でもそのときの体調によって異なることもあります。

生理直後〜排卵直前まで(卵胞期の前半)

おりものの量はもっとも少なく、質感も比較的サラッとしています。

排卵の直前・直後

精子が腟から子宮内へと移動するのを助けるため、おりものの量はもっとも多くなります。色は無色透明に近くなり、とろみがあってよく伸びる質感になります。

排卵後〜生理直前まで

量が徐々に減るとともに、透明から白っぽい不透明な色へと変わっていきます。また、粘り気が強く、あまり伸びない質感になります。おりものがこのように変化することで、この時期に精子が来ても腟のなかを移動しにくくなります。また、細菌などの異物の進入も防いでいます。

女性ホルモンとおりものの質・量の変化

まとめ

ここでは「妊娠超初期におりものが少ないことはあるのかどうか」について解説しました。基本的に「妊娠中はおりものが増える」とよく言われますが、おりものの量や質はもともと個人差が大きく、また、妊娠超初期は妊娠のかなり早い段階なため、このころにおりものが少なくても不思議ではありません。妊娠超初期は、外からはまだ妊娠したかどうかほとんどわかりませんが、お腹の中では新たな命がちょうど息づき始める時期。奇跡が起こる瞬間が知りたくてつい焦ってしまいますが、体調のわずかな変化に一喜一憂するのではなく、適切な時期に妊娠検査薬を使ってみましょう。

この記事の監修ドクター 産婦人科医・医学博士 宋美玄先生
大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

(文:マイナビウーマン子育て編集部/監修:宋美玄先生)

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※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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