赤ちゃんのおむつを替える時に、「血便!?」と思うような赤いうんちや血が混じったうんちが出ていたら、びっくりして慌ててしまいますね。そこで今回は、血便かどうかの見極め方と血便が出る原因や対応、受診の目安などについて詳しく説明します。

健康な赤ちゃんのうんちの色は?

うんちに血が混じる血便を知る前に、まず赤ちゃんが健康な時のうんちの色や状態を知っておきましょう。

新生児のうんち

赤ちゃんが、生後およそ24時間以内[*1]にするうんちを「胎便」と言います。胎便は、赤ちゃんが飲み込んだ羊水や腸管の分泌物などが成分であるため、一般的なうんちのイメージと違いねばねばしていて「黒っぽい緑色」です。

生後2〜4日たって、赤ちゃんがおっぱいやミルクを飲み始めると、胎便と黄色いうんちが混ざって出るようになり、うんちの色もだんだん黄色の割合が多くなっていきます。これを「移行便」と言い、徐々によくあるうんちの色になっていきます。

だんだん「黄色」に。ときには「緑色」のうんちになることも

母乳育児が軌道に乗るころになると、赤ちゃんのうんちは「黄色」になってきます。ミルクがメインの場合は、黄色のほか「緑色」になることも多いと言われています。

うんちが「緑色」だと心配になるかもしれませんが、これは、多くの場合、母乳かミルクかにかかわらず、赤ちゃんのうんちが長時間空気にふれたことで、うんちを黄色くしている胆汁由来の色素が酸化したためにそうなります。また、ミルクに含まれる鉄分などの影響によって、緑色になることもあります。赤ちゃんの機嫌がよく食欲もあるなら、心配いりません。

赤いうんちが「血便」かどうかの見分け方は?

赤いうんちが出ても、必ずしも心配な血便であるとは限りません。本当に血便かどうかの見極め方と、心配な血便について説明しましょう。

「食べたものの影響」で血便に見えることもある

子育てをしていると、「赤ちゃんのうんちに赤い血のようなものが混じっている!」と驚くことは案外多いようです。ただ、うんちが赤くなる原因はいろいろあり、中には血液が混じっているわけではなく、心配ないこともあります。

そこで、うんちに赤い色が混じっているときは、「うんちが赤くなりそうなものを食べさせなかったか」、思い返してみることも大切です。たとえば離乳食開始後の赤ちゃんは、トマトなどの赤色の野菜を食べさせたりトマトジュースを飲ませたりした後に、うんちが赤くなることはよくあります。また、鉄剤を飲ませたりブルーベリーを食べさせたりした後には、うんちが黒くなることもあるもの。

うんちの色が変わりそうな食品を食べさせた心当たりがあり、赤ちゃんも機嫌がよく食欲もあるなら心配いりません。ただし、赤いうんちの原因がよくわからず心配なときは、小児科で相談しましょう。前日や直前に食べたものをメモしておくと、赤いうんちが出たときに血便かどうかを見分ける助けになりますよ。

なお、母乳をあげている赤ちゃんの場合、母親が飲んだり食べたりしたもので、うんちの色が変わるということはありません。

「イチゴジャム」のような赤いうんちには注意

赤い飲み物や食べ物を与えていないのに、うんちに点状または糸くずのような細い血が混じっているときは、血便かもしれません。赤いうんちに加えて、発熱や嘔吐があり、赤ちゃんの機嫌も悪いようなら腸炎や腸重積症、肛門などからの出血など何らかの病気も考えられます。

特に、不機嫌で赤ちゃんが嘔吐を繰り返し、「いちごジャムのような赤いうんち」をした場合は、「腸重積症」の疑いがあります。これは一刻を争う病気ですから、大至急受診しましょう。以下に「腸重積症」の詳しい説明が出ていますから、参考にしてくださいね。

赤ちゃんの血便の原因と対応は?

赤ちゃんの血便が出る原因には、いくつかの症状や病気が考えられます。大至急、対処しないといけない病気もあるので、どのような原因があるか知っておいてくださいね。

腸重積症

起こる頻度はまれですが、とくに3歳未満の子供で注意が必要な病気です[*2]。腸の一部が、前後の腸の中に入りこんで重なり合ってしまうことで起こります。腸が重なり合うと、中に入りこんだ腸は外側の腸の一部に締めつけられてしまい、血液がスムーズに流れなくなります。放置すると腸が壊死してしまうなどで命にかかわるため、とにかく急いで処置することが必要です。

この場合、「イチゴジャムのように赤くねばっとした」血便が出ることが多いです。また、最初のころは赤ちゃんが激しく泣いたり泣き止んだりを繰り返すのも大きな特徴です。そのほか、吐く、不機嫌で顔色が悪い、などの症状も見られます。

新生児メレナ

「黒くねっとりしたタール状」のうんちが出た場合は「新生児メレナ」の疑いがあります。新生児メレナには、「仮性メレナ」といって、生まれる時に母体の血液を飲み込んだことが原因でうんちが黒くなることもあります。この場合はとくに治療の必要はありません。

問題となるのは、赤ちゃんの胃や腸で出血が起こっている結果、黒い便や血便が出る「真性メレナ」で、原因はビタミンK不足です。以前は赤ちゃんの体内でビタミンKが不足することが多かったのですが、生まれてすぐや生後1週間後にビタミンKシロップが与えられるようになってからは激減しました。いまでは、新生児の下血はビタミンK不足以外の原因で起こるほうが多いと言われています。

腸などにうまく血が流れなくなる病気

腸がねじれてしまう腸軸捻転や壊死性腸炎など、腸の病気によって黒い便や血便が出ることもあります。こうした病気にともなう下血の場合も、できるだけ早く医療機関で処置してもらう必要があります。

細菌性胃腸炎

胃腸炎にはウイルス感染によるものと細菌が原因のものがありますが、細菌性胃腸炎は、ウイルス性よりも症状が重くなりやすいのが特徴で、下痢のほか高熱が出たり吐いたりすることに加えて、うんちに血や粘液が混じることがあります。

原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラ菌、病原性大腸菌(O-157など)、ボツリヌス菌などさまざまです。

食物アレルギー

特定の食べ物に対して、体の免疫の働きが過敏に反応してしまう状態が「食物アレルギー」です。

特に、1990年代の終わりころから急増している食物アレルギーの一種に、「消化管アレルギー」があります。新生児から乳児期ごろまで[*3]の赤ちゃんに見られることが多く、この時期のおもな原因は粉ミルク(牛由来)ですが、母乳が原因の場合もあります。その他、米、大豆、卵が原因の場合もあります。

症状は嘔吐のほか、ひどい下痢をしたり血便が出たりします。重症の場合、体重が増えなくなるのも特徴です。症状が出るのは、原因となるものを口にしてから早くて1〜2時間後、長い場合には数日後[*3]です。この病気と診断がついたときは、原因となるものを除去するなどの治療を行うことで、2〜3歳ごろまで[*4]には治っていくことが多いと言われています。

裂肛

便秘などが原因でうんちが固くなってしまったとき、無理やり排便しようとすると肛門の粘膜や皮膚が切れる「裂肛」になることがあります。肛門が切れることで出血し、うんちの表面に血液が付着するのです。

血便が出たとき、病院に行く目安は?

赤ちゃんが血便をすると、「何か悪い病気?」と心配になりますね。急いだほうがいいのか慌てなくていいのか、血便が出たときの受診の目安を知っておきましょう。

夜間・休日でも急いで受診が必要

・おむつ全体に血便または黒い便が広がっている

・イチゴジャムのようなねばっとした血便が出ている

・赤ちゃんの機嫌が悪い、またはぐったりしている

・何度も嘔吐を繰り返す

診療時間内の受診でOK

・うんちに少し血が混じっているが、赤ちゃんの機嫌は良く、よく飲んだり食べたりしている

うんちをスマホで撮影しておこう

血便が出たときには、念のためスマホなどでうんちの写真を撮っておくことをお勧めします。受診した時にそれを医師に見せると、うんちの色や状態が診断の大きな助けになります。特に緊急性の高い腸重積症が疑われるとき、イチゴジャム状のうんちをしていることがわかれば早く診断がつき、治療も早く始められます。

その他、血便以外のうんちの色については、下記の記事も参考にしてください。

【医師解説】赤ちゃんのうんちの色で病気がわかる? 注意が必要なとき、病院で伝えて欲しいこと
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/8453

まとめ

血便が出たとしても、うんちに少し血が混ざっている程度で赤ちゃんの機嫌が良く食欲もあれば、心配しすぎずにしばらく様子を見ましょう。 ただし、機嫌が悪く食欲がなかったり、うんちに含まれる血液の量が多い場合や血便が続く時は、早めに受診してください。

病院に行く際は、血便のついたおむつをスマホなどで撮影して、医師に見せましょう。いずれにしても、早めに赤ちゃんの異変に気づけるよう、普段からおむつ替えのときにうんちの状態をチェックする習慣をつけておくといいですね。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

(文:村田弥生/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本小児外科学会 胎便閉塞性疾患
http://www.jsps.or.jp/archives/sick_type/shoukakan-senkou
[*2]MSDマニュアル 腸重積
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/23-%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%85%B8%E9%87%8D%E7%A9%8D
[*3]国立成育医療センター「消化管アレルギー」
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/gastrointestinal_allergy.html
[*4]静岡県立こども病院 免疫アレルギー科「消化管アレルギー」
http://www.child-allergy.jp/

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます