生まれて間もない赤ちゃんが、おしりを振るように動く「ギャラン反射」。赤ちゃん特有の原始反射のひとつですが、かわいい動きで話題になりました。そんなギャラン反射はいつまでするのか、どうすれば見られるのかまとめました。

ギャラン反射ってどんなもの?

赤ちゃんの原始反射としては「モロー反射」や「把握反射」がよく知られていますが、「ギャラン反射」はあまり知らないという人も多いのではないでしょうか。

背骨に沿ってこするとこすった側におしりを上げること

ギャラン反射は、「赤ちゃんの背骨の外側にそって上から下へこすると、こすった側に体幹を曲げる」反射。この体を曲げる動きが、おしりを持ち上げ、振っているように見えるのです。赤ちゃんがまだママのお腹にいるときに始まり、お腹の中で姿勢を変えたり、産道を通りやすくしたりするのに役立つのではという説もあります。

英語では「Galant response」、「Galant reflex」と呼ばれます。日本ではギャラン反射のほか、ギャラント反射、ガラント反射、また側彎反射、背反射などとも呼ばれます。

原始反射とは?

ギャラン反射も「原始反射」のひとつです。そもそも原始反射とは何なのでしょうか。

生後数ヶ月で消える無意識の動き

反射は、刺激によって無意識に特定の筋肉が動くこと。大脳からの指示ではなく、脊髄や脳幹が中枢となって、ここに刺激が伝わることで起こります。原始反射は、赤ちゃんが生まれながらにもっている反射のことです。

原始反射は正常な発達に欠かせないものです。たくさんの種類があり、それぞれみられる時期と反応の仕方が決まっています。胎児のころや新生児期から見られ、脳の大脳皮質などの発達に伴い、生後2〜4ヶ月ごろから徐々に消え始めます[*1]。

ギャラン反射をするのはいつからいつまで?

ギャラン反射も原始反射なので、見られる時期は限られています。

生後半年くらいでしなくなる

ギャラン反射はママのお腹にいるときから始まっており、新生児のときから見られます。その後、個人差はありますが4〜6ヶ月で消失していきます[*1]。

ギャラン反射を起こす方法

期間限定のギャラン反射をどうすればみられるのか、その方法を紹介します。

背骨に沿って上から下にこする

ギャラン反射は次のような方法で起こすことができます。

(1)赤ちゃんの腹部に手を当ててうつ伏せの状態にし、水平に抱く

(2)背骨の外側を頭側からおしりへ向かって、上から下へこする

このようにすると、赤ちゃんが刺激された側におしりを持ち上げます。うつ伏せで吊り下げるようにすることで見られる反射で、足が下に着いていると見られないともいわれています。

ですが、吊るすように抱くのが不安な場合は、硬い布団や膝にうつ伏せに寝かせてこすってみましょう。

いずれにしても、赤ちゃんをうつ伏せにするので落下事故や窒息などに充分に注意して、うまくいかないときは無理をしないでください。大人の目が届かないところでうつ伏せのままにするのは、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」のリスクにつながるので絶対にやめましょう。

ギャラン反射は健診でチェックされる?

モロー反射などの原始反射は、乳児健診で正しく行うかどうか、消失すべき時期に消失しているかをチェックされます。ギャラン反射の場合はどうでしょうか。

あまり調べることはない

ギャラン反射が乳幼児健康診査で調べられることはあまりありません。小児科の日常の診療でも、ギャラン反射が重視されることはほとんどありません。

脳性まひが疑われる場合にギャラン反射が調べられることもあるようですが、ギャラン反射の有無のみで診断されるわけではなく、ほかの症状も見て総合的に判断されます。

ギャラン反射をしないときは

かわいい姿が見たい!と思って試してみたのにギャラン反射が見られない、ということもあるかもしれません。そんな場合はどうすれば良いのでしょうか。

ほかに気になる点がないなら心配しないで大丈夫

原始反射の起こり方は赤ちゃんによって差があるもの。ギャラン反射も、赤ちゃんの反応が小さくて親御さんが気づきにくいこともあります。消失する時期も目安であり、個人差があるのですでに消えてしまったのかもしれません。

また、刺激がうまく与えられていないために反応が起こらないことも。さきほども説明したとおり、ギャラン反射が見られないからといって、心配することはありません。ほかに気になることがなければ、受診の必要もありません。

家で試してみるときは、「もしうまくいったらかわいい姿が見られてラッキー」ぐらいに考えて。ギャラン反射が見られないからといって、心配しないようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんがおしりを振っているように見える「ギャラン反射」。数ある原始反射のなかでもかわいい反射で、親御さんは見たい、記録したいと思うでしょう。試してみる場合は、赤ちゃんをうつ伏せにするので、充分注意しながらやってみましょう。赤ちゃんによっては反応が小さいことや、刺激の与え方がちがっていてうまくいかないこともありますが、家庭でできなくても特に問題になることはありません。くれぐれも無理はしないようにしてくださいね。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]一般社団法人 日本小児神経学会
https://www.childneuro.jp/modules/about/index.php?content_id=29

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます