ハーバード大学をはじめ、アメリカの大学で長年研究されてきた「ダイアロジック・リーディング」。その手法について紹介した書籍、『思考力 読解力 伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より、子どもの能力を伸ばす読み聞かせメソッドを紹介します。今回は基本となる4種類のやりとりを紹介。

ダイアロジック・リーディングの基本は4種類のやり取り

ホワイトハースト博士らダイアロジック・リーディングの研究チームは、この読み聞かせ法を論文にまとめ発表しています。
以下はその内容をまとめたものです。

ダイアロジック・リーディングにおける「対話」の基本的な流れは、「PEER」と呼ばれる以下のシーケンス(順序)に沿って行われます。 ダイアロジック・リーディングでは1回の対話で、この「PEERシーケンス」が一巡することを意識します。
なお、ホワイトハースト博士は、初見の本は一度通しで読み、2回目以降は「PEERシーケンス」の対話を1ページに1回行うことを奨励しています。

こう聞くと、大変なことに思えますが、これはあくまでもガイドラインにすぎませんので、厳密にこのとおりにやりとりしなければいけない、というものではありません。
たとえば、子どもが自発的に発したことばを起点に、E(評価)、E(拡張)、R(反復)と展開しても問題ありません。
もしくは、評価(Evaluate)のあとに反復(Repeat)をしてから、話を拡張(Expand)してもかまいません(例:「そうだね。タヌキさんだね。〇〇ちゃんはタヌキさんを見たことある?」など)。
また、子どもが物語に没頭しているときなど、子どもの返答に相槌をうってすぐに物語に戻りたい場合はそれでもかまいません。

さらに、1ページに1回というペースを無理に守る必要もありません。
とくに、子どもが一方的な読み聞かせに慣れてしまっている場合、ある日突然、質問攻めのような雰囲気になってしまったら戸惑いを見せるかもしれません。その場合は、子どもが読み慣れた本を使って、2、3見開きに1回くらい「PEERシーケンス」を「試してみる」くらいではじめられれば十分です。
逆に対話が盛り上がったら、どんどん脱線していけばいいのです。

回数をこなしていけば、いずれ子どもは「絵本を読むときはママやパパといろいろお話ができる!」という感覚を持つようになります。
そういう意味では、ダイアロジック・リーディングは、子どもがはじめて絵本に触れるときから実践することが理想です。

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書籍『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』について

いつもしている絵本の読み聞かせに、「親子でやり取りをすること」をプラスするだけで、子どもの能力が飛躍的に伸びる「ダイアロジック・リーディング」について解説した本。子ども自身が情報を読み解き、自分で考え、その考えを相手に論理立てて主張する力を育てます。効果を最大化する工夫やコツのほかに、「この絵本では、こういう問いかけをするといい」といった具体例も紹介されているので、忙しいパパ・ママでもすぐに実践できるのがポイントです。

著者プロフィール 加藤 映子さん
大阪女学院大学・短期大学学長、大阪女学院大学 国際・英語学部教授、Ed.D(教育学博士)。ハーバード大学 教育学大学院(教育学修士・博士)で出合った「ダイアロジック・リーディング」の研究を重ね、その第一人者として普及活動に尽力。現在は、「子どもとことば」「絵本を通してのことばの発達」を研究テーマに、絵本の聞かせにおける母子のやりとり、読み書き能力の発達に関する親の意識調査などを行う。『世界一受けたい授業』(日本テレビ)など、メディア出演も多数。

(文:加藤 映子『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より一部抜粋/加筆修正マイナビウーマン子育て編集部)