新型コロナウイルス感染症(以下:コロナ19)のパンデミック宣言以降、約3か月以上にわたり最悪の状況を迎えていた劇場も7月に入ってある程度正常化の軌道に乗り始めた。いわゆる夏の“BIG3”と呼ばれている3つの作品が先月中旬から公開されているからだ。

 BIG3のうち、まず公開された映画「半島」は公開初日から上半期の新記録を打ち立てて興行に成功し、後を続いて公開された映画「鋼鉄の雨2 首脳会談」も公開初日に22万人を動員して興行に“青信号”を点灯させた。映画「ただ悪から救いたまえ」もメディア配給試写会および一般観客への試写会後に好評が続いており、その展望は明るい。

 ◇映画「半島」、収益分岐点の250万人を超えて300万人を突破

 ヨン・サンホ監督の映画「半島」は公開14日目の先月28日に集客300万人を突破した。これは、当初、配給社のNEW側が公開した収益分岐点の250万人を超えた数値だ。「半島」の総製作費は190億ウォン(約16億7000万円)であり、国内で約500万人以上を動員してこそ「収益分岐点を超えた」と言える規模だ。しかし配給社側は映画が海外185ヵ国に先販売されたおかげて250万人を実質的な収益分岐点としたと説明した。

 現在までに「半島」が出している劇場成績は例年の“テントポール映画”と比較すると秀作である水準だ。特に公開当初の成績は期待以上だった。公開4日目に100万人を動員し、ボックスオフィスで歴代4位の映画「国際市場で逢いましょう」の100万人突破速度と同一の成績を打ち出し、公開7日目には200万人を突破した。これはコロナ19が拡散した2月以降の新記録だ。コロナ19以降、多くの大型映画が公開を延期したため観客は“見る価値のある映画”に飢えている状態で、「半島」はこの状態をある程度解消するのに一役買ったものと分析される。

 ただ、映画の底力は不足している方だ。「半島」は累積観客数の300万人突破以降、一日観客数が減少した。新作「鋼鉄の雨2 首脳会談」の公開によって受けた影響がないとは言えない。

 しかし、「半島」の興行は海外へと続いている。台湾、シンガポール、ベトナム、タイ、モンゴルでボックスオフィス1位を記録し、今月の初めにはニュージーランド、北アメリカ、北ヨーロッパでの公開が予定されている。この映画は“K-ゾンビ”烈風の先駆けとされる映画「新感染−ファイナルエクスプレス」の後続映画として廃虚となった韓国に帰ることとなった職業軍人出身のジョンソクの話が描かれている。7月15日に公開され、カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョン、イレなどが主演を務めた。

◇映画「鋼鉄の雨2 首脳会談」、公開初日に22万人突破の“青信号”

 映画「鋼鉄の雨2 首脳会談」は公開初日である先月29日に22万人を突破した。公開3日目まで映画「半島」を押しのけてボックスオフィス1位を維持し、先月31日基準での累積観客数は51万5138人を記録した。映画「半島」の興行バトンを受け取って巡航中だ。

 「鋼鉄の雨2 首脳会談」は朝鮮半島の情勢を取り扱った実質的でありつつも独特な素材で観客の関心を集めている。公開前に行われたメディア配給試写会では他の映画と差別化される“潜水艦アクション”が特に好評を得て、チョン・ウソンとユ・ヨンソク、アンガス・マクファーデンが狭い艦長室で見せる風刺コメディーもまた映画のポイントに選ばれている。

 「鋼鉄の雨2 首脳会談」の収益分岐店は395万人であり、総製作費は154億ウォン(約13億5400万円)だ。海外販売収益などを考慮して収益分岐点を計算した「半島」に比べると高い水準だ。「鋼鉄の雨2 首脳会談」の興行時期が2つの映画の間に挟まれている状態であるという点から多少不利に作用する可能性もある。特に次に公開される映画「ただ悪から救いたまえ」との公開時期の差が1週間しかなく、不利な要素がないとは言えない。しかし、映画自体に対する好評が多いだけあり、“双方興行”も十分にあり得ると期待される。

◇映画「ただ悪から救いたまえ」、試写会後に好評の洗礼

 映画「ただ悪から救いたまえ」はタイで発生した衝撃的な拉致事件が自身と関係している事実を知ることになった暗殺者のインナムが事件の真相を探るためタイへと向かっている間に自身の兄弟がインナムによって暗殺されたことを知ったレイが無慈悲な復讐を敢行しつつ起きることを描いたアクションスリラー映画だ。ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ、パク・ジョンミンが出演したこの映画は“ハードボイルドアクション”を看板とする作品で、アクションジャンルを好む観客に“アピール”される作品だ。

 今月5日に公開されるこの映画は、8月1日に20%代のチケット前売り率を記録して「鋼鉄の雨2 首脳会談」に続いて前売り率2位を守り、観客の高い期待を立証した。試写会後の評価も好評が優勢だ。特にメディアの評価だけでなく一般試写会に参加した観客たちの反応にも好評が多く、商業的に成功する可能性が高い作品として期待されている。

 「ただ悪から救いたまえ」の総製作費は154億ウォン(約13億5400万円)、収益分岐点は約350万人と推定されている。「半島」と「鋼鉄の雨2 首脳会談」に引き続き最後に公開されるこの映画が先に公開された2つの映画と比べてどのくらいの“成績”を出すことが出来るのか、行方が注目されている。