韓国の放送局JTBCが秋の改編で平日夜9時からのバラエティ枠を強化したが、2015年12月から現在まで続いている土曜夜の看板バラエティ「知ってるお兄さん」もこのところ不振にあえいでいる。

一度、東京五輪フェンシング男子サーブル団体の金メダリスト4人がゲストで登場した第294話(8月14日)で6.6%(ニールセンコリア調べ、以下同じ)を記録したこともあるが、だいたい3〜4%台で推移してきた。

そこで、テコ入れ第1弾として、それまで午後9時から放送だったのを第296話(9月4日)から午後7時40分に繰り上げ。この時間帯は、放送局tvNの「驚きの土曜日」や地上波の週末ドラマが放送されている枠だ。「驚きの土曜日」と視聴者層が多少重なるので、視聴率にも影響が及ぶと見られていたが、2〜3%台で推移してきた「驚きの土曜日」は9月4日以降の放送でも2%台をキープし、安定している。

一方、「知ってるお兄さん」は放送時間を移動する前の第295話(8月28日)は4.0%だったが、第296話は3.6%と0.4ポイント下回ったうえ、それ以降もさらに下がり、第297話(9月11日)と第303話(10月23日)では1.9%まで落ち込んだ。特に、第303話は旬の「aespa」がゲスト出演したのに、それでも数字が取れなかったと報じる記事もあったが、そもそもこの番組ではK-POPアイドルの出演回はそれほど数字が高くない。結果的に放送枠を移動したが、新しい視聴者の取り込みはできていないということだ。

視聴率不振の原因は、毎回同じように展開される“兄貴”メンバーたちのトーク。カン・ホドン、ソ・ジャンフン、キム・ヨンチョル、イ・スグン、ヒチョル(SUPER JUNIOR)、ミン・ギョンフン(BUZZ)、イ・サンミンのキャラクター、立ち位置がほぼ出来上がっているため、誰がゲストで来ようと、トークの流れやリアクション、そしてボケ、ツッコミ、イジリのパターンが視聴者にもある程度読めてしまい、新鮮さがないということ。つまりマンネリ化が指摘されている。

そこで、テコ入れ第2弾として、新レギュラーとして人気お笑い芸人イ・ジノの加入が発表され、第304話(10月30日)から登場した。これまで、カン・ホドン、ソ・ジャンフン、キム・ヨンチョル、イ・スグン、ヒチョルの5人でスタートした同番組は、早々に第2話でミン・ギョンフン、第14話(2016年3月5日)でイ・サンミンが加わってからは、7人体制で5年以上番組を続けてきたので、大きな転換期となる。

イ・ジノは「知ってるお兄さん」に何度もゲスト出演しており、ことし7月には米国での仕事のため、番組を休むキム・ヨンチョルのピンチヒッターを務めるなど、レギュラーメンバーたちともぴったりハマっていて、相性も抜群。イ・ジノが入ったことによって、今後どのような構図が出来上がるのか期待されている中、第304話はイ・ジノが仲の良い芸人仲間6人を引き連れ、ゲスト的な立ち位置でトークとゲームを展開した。

特に、番組制作側の本気を感じたのが、ゲームコーナーで話題のNetflixドラマ「イカゲーム」をパロディした「知ってるイカゲーム」を準備したこと。レギュラーメンバーの“兄貴”チーム対イ・ジノチームに分かれ、3つのゲームで対戦。ドラマに登場した「ムクゲの花が咲きました(だるまさんが転んだ)」、「タルゴナ(カルメ焼き)の型抜き」、「ガラスの橋渡り」をアレンジしたゲームで、セットもさることながら、資料映像や音楽もNetflixから全面提供を受けるなど、本格的なパロディだった。

イ・ジノは十八番のモノマネである映画「タチャ イカサマ師」のクァク・チョルヨン(キム・ウンス)に扮していたが、チームの芸人たちは「イカゲーム」の主要キャラクターになりきり、おじいさんのオ・イルナム(オ・ヨンス)の「もうやめてくれ!みんな死んでしまう」など劇中の印象的なセリフも交えながら、面白おかしくモノマネをするシーンは大爆笑の連続。

ヒチョルも扮装はしていないものの、サンウ(パク・ヘス)や、「ガラスの橋渡り」に出てきたガラス工場で30年以上働いていた13番の男を再現するなど、「イカゲーム」をよく見ていると思われる面白いポイントをモノマネしたほか、シンドン(SUPER JUNIOR)の圧倒的な存在感も光っていた。シンドンはヨンヒ人形に完璧になりきった後、フロントマンにも扮し、ゲームの進行役を担うなど、ある意味最も目を引いていたかもしれない。

また、ゲームでもタルゴナの型抜きをするとき、ドラマ同様、裏面を舐める方法を試してみたり、橋渡りでは制限時間が迫ってくると、後半のメンバーたちは列をなしてゾロゾロ移動していくなど、ドラマを見た人にはより楽しめる内容だった。

こうして、新メンバー加入と世界的に話題の「イカゲーム」のパロディで勝負をかけた第304話だったが、視聴率は2.4%だった。今後、ゲストとして好評のうちに終了した女性ダンサーたちのサバイバル番組「STREET WOMAN FIGHTER」(Mnet)の8組8人のリーダーが出演する回が11月中に放送されることも発表されている。話題性のあるゲスト、企画力でこの不振を打破できるだろうか。