韓国のガールズグループ「aespa(エスパ)」が今月5日、米ニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム」で演説を行った。国連会議には2018年、2020年、昨年と韓国の男性アイドルグループ「BTS」が演説を行っており、韓国紙の朝鮮日報は「K-POPアイドルグループへの国連のラブコールが相次いでいる」と報じ、その理由を分析している。

 「aespa」は4人組多国籍女性アイドルグループとして、2020年にデビューした。メンバーは韓国人2人、日本人、中国人それぞれ1人で構成されている。「aespa」のグループ名は「Avater X Experience」を表現した「ae」と、「両面」を意味する「aspect」を掛け合わせた造語で、「自分のもう一人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」というグループのコンセプトを表現した。

 「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム」で、日本人メンバーのGISELLE(ジゼル)は「メタバース・ガールズグループ」と呼ばれる「aespa」を代表して、「メタバース(インターネット上の仮想空間)は現実を反映する世界で、現実が枯渇するばかりで持続可能でなければ、仮想世界の無限の可能性もまた守ることが難しいのではないか」とし、「次の世代が持続時可能な開発目標(SDGs)を全面的に支持することが重要だ」と述べ、持続可能な開発目標の重要性を強調した。

 続いてリーダーのKARINAは「次世代のため重要となるトピックについて話し合うためにこの場にお招きいただき大変光栄」とあいさつした。

 同フォーラムは国連の「SDGs」と「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のフォローアップとレビューを目的に開かれた。対面式での開催は2019年以来。

 国連会議には「BTS」も3回にわたり招待され、演説を行っている。昨年9月にはSDGsの関連イベントに出席。「未来」をテーマとした演説でメンバーは新型コロナウイルスの流行を取り上げ「私は昨日と同じなのに、一瞬にしてパラレルワールドに来たように世の中が変わってしまった」とし、コロナ禍によって失われた日常を嘆いた。一方、「未来についてあまり暗く考えないで」と前向きなメッセージを送り、若者世代について「ロストジェネレーションではなく、ウェルカムジェネレーションという方がふさわしい」と指摘。変化におびえるよりも、それを歓迎しながら前進する必要性を説いた。

 また昨年は4人組アイドルグループの「BLACKPINK(ブラックピンク)」がアジアの国の歌手して初めて国連SDGs広報大使に任命された。

 朝鮮日報はK-POPグループが国連会議の演説者や広報大使として続々と招待されている理由について「ファンたちのとてつもない波及力を知っているからだ」と解説。「BTS」が昨年行った国連での演説は動画共有サイトのユーチューブを通じて配信されたが、動画のリアルタイム視聴者数は約98万人に上った。また、演説で、メンバーが「ファンに会うために僕たちも全員ワクチンを接種した」と述べたことを受けて、その後、「ワクチンを接種した」とのハッシュタグが数十万件投稿された。影響力は絶大なものがあり、当時、グテーレス国連事務総長は「私が演説しても、BTSのような波及効果はなかっただろう」と韓国大統領府に感謝の言葉を送ったほどだ。

 また、同紙は「K-POPグループの行動が、国連傘下の基金に実質的に役立っている例もある」と解説した。2017年に、「BTS」のファン「ARMY(アーミー)」たちが児童・青少年暴力根絶のための募金キャンペーンを展開。キャンペーンの公式サイトを通じて募った寄付金や、キャンペーンオリジナルの「BTS」グッズの売上金で約7億ウォン(約1億1500万円)が集まり、これと「BTS」がアルバムの売上収益の一部を充て総額18億ウォンが国連児童基金(ユニセフ)に寄付された。

 K-POPアイドルたちはもはや、エンターテイメントの領域を超えて、世界が抱える課題の解決に向け人々に行動を促すメッセンジャーとしての役割も担っている。