世界的にヒットした、米動画配信大手ネットフィリックスの韓国ドラマ「イカゲーム」が、米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞で、ゲスト賞など4部門で受賞した。非英語圏のドラマがエミー賞を受賞したのは今回が初めてで、聯合ニュースは「韓国コンテンツの新たな歴史を刻んだ」と伝えている。

 エミー賞は米国で放送される優れたテレビドラマや番組、テレビ業界の功績に与えられる賞。映画におけるアカデミー賞、演劇におけるトミー賞、音楽におけるグラミー賞に相当する、最も権威ある文化賞の一つ。今年はオバマ米元大統領が、ネットフリックスのドキュメンタリー番組のナレーションで、エミー賞の最優秀ナレーター賞を受賞し話題になった。

 「イカゲーム」はゲスト賞、プロダクションデザイン賞、視覚効果賞、スタントパフォーマンス賞4部門で受賞した。

 「イカゲーム」は、賞金を懸けた謎のサバイバルに参加した人たちが、最後の勝者になるために極限のゲームに挑戦するストーリー。登場人物が死を伴う危険なゲームに巻き込まれる様相を描く「デスゲーム」と呼ばれるジャンルの作品だ。

 ネットフリックスで、昨年9月17日に公開が始まり、1週間後の9月23日から46日連続でネットフリックスのドラマの世界ランキング1位となるなど、大ヒットを遂げた。また、配信開始から28日間で、累計視聴時間16時間5045万時間を記録。この累計視聴時間は現在もなお、ネットフリックスでの最高記録となっている。

 日本では公開当初は、2014年に公開された日本の映画「神さまの言うとおり」など、いくつかの日本作品に似ているとの指摘が出たが、人気は高まり、ネットフリックス日本版でも総合1位を獲得した。また、昨年、日本国内で最も話題となった言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたほか、流行先取りメディア「Petrel(ぺトレル)」の運営を行うパスチャーが選定したインスタ流行語大賞ランキングで3位に入った。

 聯合ニュースは「イカゲーム」がエミー賞を受賞したことについて「米企業であるネットフィリックスが制作した『イカゲーム』は純粋な韓国ドラマではないものの、韓国の俳優が韓国語で演じるドラマがノミネートされ受賞に至ったのは驚くべき変化だ」と指摘。2020年にポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が英語以外の言語の映画として初めてアカデミー賞を受賞したことや、昨年には女優のユン・ヨジョン氏が韓国の俳優として初めてアカデミー賞助演女優賞を受賞したことを挙げ、「エミー賞もアカデミー賞と同様に英語圏ではない地域の作品を尊重する雰囲気に変わりつつあり、その変化を韓国のコンテンツがけん引していることを示している」と解説した。

 大衆文化評論家のハ・ジェグン氏は聯合ニュースの取材に「『イカゲーム』がかなりのヒット作だったため、エミー賞も無視できなかったとみられる」と指摘。「文化的な少数者(非英米圏・有色人種)に対する見方が変化する流れの中で、映画や音楽など、韓流の流れに乗って韓国が最も大きな恩恵を受けたと思われる」と分析した。

 世界的ヒット作となった「イカゲーム」だが、今年6月、続編の制作が正式発表され、期待が高まっている。配信時期は明らかにされていないが、2023年以降とみられている。ネットフィリックスが続編の制作を発表すると、ファン・ドンヒョク監督もネットフリックスのウェブサイトにコメントを掲載し「『イカゲーム』はシーズン2(続編)となって戻ってきます。全く新たなゲーム、そして最高の物語を用意して、皆様をお待ちしています」と呼び掛けた。

 また、「イカゲーム」の優勝者で唯一の生存者である主人公ソン・ギフンを演じた俳優のイ・ジョンジェ氏は今月2日、韓国の公共放送KBSの番組「ニュースライン」にゲスト出演し、続編の進行状況について語った。イ氏は「僕が最近(監督に)聞いたところでは、全体的な構成は固まった」とし、「全体のゲーム、そんなゲームがいつ出てくるのか、そしてゲームにどんな人物が参加するか、そこまで決定し、監督が本格的にシナリオを書き始めたという話を聞いた」と明かした。ネット上では、「イカゲーム」の続編のキャストを予想する記事が多数掲載されている。

 また、エミー賞は12日には俳優・演出陣を対象とする「プライムタイム・エミー賞」が発表される。「イカゲーム」は作品賞のほか、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞の候補になっており、注目される。