◎名物「スクワット応援」の誕生

 独自の応援スタイルとしてすっかり定着した「スクワット応援」。もちろん、広島発祥の応援スタイルだ。

 このスクワット応援が生まれたのは1993(平成5)年。旧市民球場で行われたオープン戦だという。右中間スタンドに陣取った制服姿の女子学生グループが、応援団の太鼓に合わせ、悪ふざけのように「立つ・座る」を繰り返し始めた。周囲の広島ファンは「おとなしく見い」と思ったが、そのうち同調する人が現れ始めたという。その後、しばらくは一部ファンの間だけの応援だったが、1997(平成9)〜1998(平成10)年ごろ、関東の広島ファンも神宮球場や横浜スタジアムで開始。そこから定着したといわれている。

 稲葉篤紀(日本ハム)の「稲葉ジャンプ」が禁止されている球場では「稲葉スクワット」が取り入れられるなど、「スクワット応援」は徐々に他球団でも市民権を得つつある。トランペット応援やジェット風船のように、いつの日か12球団どこでも見られる当たり前の光景になっているかもしれない。

 このように、12球団の中でも、オリジナリティに溢れ、質・量ともに他球団を圧倒することが多い広島ファンの応援。昨年のCSファーストステージで敵地・甲子園の一部が真っ赤に染まった光景を憶えている方も多いだろう。3位からの下克上の裏には、敵地を圧倒してしまう、熱狂的な広島ファンの後押しも大きかったはずだ。

 16年ぶりAクラス入りの勢いのまま、好調なスタートを見せる2014(平成25)年の広島。1991(平成3)年以来23年ぶりのセ・リーグ制覇、そして1984(昭和59)年以来30年ぶりの日本一へ。カープファンにとっては、例年以上に応援で忙しい1年になりそうだ。

※参考文献『カープファンは日本一』井川樹著/南々社


『週刊野球太郎』ではMLBデビューを果たした田中将大を特集中。また、カープOB・高橋慶彦への独占インタビュー『赤の時代』も好評連載中だ。バックナンバーでは『鯉バナ〜広島東洋カープファン増殖計画』と題したカープ躍進の秘密に迫る企画も読むことができる。

 雑誌『野球太郎』からは、『野球太郎No.008〜2014プロ野球&ドラフト候補選手名鑑』が発売中。野球の新たな応援スタイルを提案する『別冊野球太郎2014球春号〜プロ野球[呪い]のハンドブック』とあわせ、野球観戦のお供におすすめしたい。