6月7日付のESPN電子版において「現代における最高の先発投手は誰だろう?」という内容の考察記事が掲載されていた。9人の投手を論議のテーブルにのせた上で「ホワイトソックスのクリス・セールがベスト先発投手かもしれない」という論調で記事は結ばれていたのだが、目を引いたのは9人中、日本人投手が3人を占めていたことだった。その3人とはダルビッシュ有(レンジャーズ)、田中将大(ヤンキース)、そして岩隈久志(マリナーズ)。考察における各投手の好材料と逆風材料が書かれていたので、抜粋して紹介したい。

 まずはダルビッシュ有。

「君が、もしも粘土の段階から好みのピッチャーを1から作り上げ、そこに生命を吹き込めるとするならば、ダルビッシュのような右腕を作り上げたいと思うのではないだろうか? 打者有利の球場が本拠地でありながら、現在の成績は5勝2敗、防御率2.04。被打率は低く、奪三振率はリーグトップを2年連続で快走している。2013年は26本のホームランを浴びたが、今年は現在のところわずか3本。過去4度の先発機会で攻撃力のあるチームと3度あたりながら失点はわずか4。31回2/3を投げ、41奪三振を奪っているのは素晴らしい。逆風材料としては完投が一度もないこと、そして投球数が総体的に多めであること。そして首の張りなどで先発登板を回避したことだろうか」

 続いて田中将大。

「9勝1敗、防御率2.02という素晴らしい数字に加え、12度の先発機会すべてにおいてクオリティースタート(6回以上で自責点3以内)を達成。被出塁率もリーグで最も低い数字だ。過去2シーズンで33勝1敗。現在までのところ武器であるスプリットを315球投じているが被打率はわずか.135。このスプリットで実に48個の三振を奪っている。逆風材料としては、まだメジャーでわずか12試合しか登板していないということ。最初の5度の先発機会で3度マークした2ケタ奪三振も以降は一度も達成できておらず、今後、各チームと対戦を重ねていく中で、どんな投球ができるのかは投げてみなければわからない。被本塁打も既に8本献上している」

 最後に岩隈久志。

「マリナーズのローテーションピッチャーとして定着した2012年7月から現在にかけて、彼が残した通算防御率はア・リーグでもっとも優れた数字である。攻撃力、守備力に恵まれていないチームに所属しながら、昨年はサイヤング賞の投票で3位。彼のスプリットは美しく、過去2シーズンの被打率はわずか.174だ。逆風材料としては、今年も指の故障で登板を回避したことがあったように、日本時代からフルシーズンを通して働ける、耐久性に優れたタイプの投手ではないこと。メジャーで完投経験はいまだなく、奪三振率6.4も平凡な数字だ」

 コメント欄を見ると日本人投手の中では田中を推す野球ファンの声が目につくが、議題のテーブルに3人もの日本人投手が挙がっていること自体が日本から応援する身としては嬉しいもの。野茂英雄が19年前にドジャースで鮮烈デビューを飾る以前は想像すらできなかった考察記事である。
(文=服部健太郎)


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