現在、『週刊野球太郎』ではミスタードラゴンズ・立浪和義さんによる「プロ野球観戦講座」を連載中。今季のプロ野球の動向や観戦のコツを解説してもらっている。その中に収まり切らなかった、交流戦の今後のあり方や日本人メジャーリーガーのこと、そして立浪さん自身のエピソードについて、「立浪和義プロ野球観戦講座・出張版」としてお届けしていく。


◎パ・リーグ勢が毎年好成績をおさめる理由

 今年の交流戦も残りあと僅かになってきました。毎年、パ・リーグ勢が優勢で、今季も今のところパの勝ち星の方が多い状況ですね。

 また、最近メジャーに渡った選手のほとんどがパ・リーグ勢。そういう意味で、頭1つ抜けた選手が多いと言えますよね。まあ、今年でいえばマー君(田中将大)が抜けたわけですから、その分、セ・リーグ側ももっと奮起しないといけないと思いますが。

 なぜパ・リーグが強いのか、その理由を考えてみましょう。

 パ・リーグは北海道と九州にも球団がありますので、セ・リーグよりも移動に関して、とてもタフな経験を毎年積んでいます。そういう意味での「強さ」も影響してるんじゃないでしょうか。

 もう1つ。セとパの大きな違いはDH制の有無ですよね。

 たかが1人の打者が増えるだけなんですけど、得点の入り方や打線のつながり方が全く違ってきます。そして何より、パ・リーグの試合を観ていると、完投能力のある投手が多いですよね。

 セ・リーグだと1点負けている状況で投手の打順になると代打が送られるのがセオリーです。ところが、パ・リーグの投手は打席に立たなくていいから、攻撃の展開に関係なく、そのまま投げ続けることができる。結果として、長いイニングを投げるクセがついている投手が多いんじゃないでしょうか。


◎セとパにおける、投手と打者の特徴の違い

 あとは純粋に、パ・リーグの投手の方が球は速い印象があります。思いっきり腕を振って投げる選手が多いからだと思います。

 打者に関しても同じことが言えて、パ・リーグの方が思いっきり振ってくる打者が多いですよね。自分の現役時代を振り返ってみても、パの打者に関して感じたのは「スイングの力強い選手が多いな」ということでした。

 こうしたセとパの違いというのはここ数年で起こったことではなく、かなり前からの傾向だと思います。当然、セ・リーグにもいい投手やいい打者はいるんですが、自分自身を見失わない「力」のある選手はパ・リーグのほうが多い印象ですね。一言でいえば、「思いきりの良さ」の違いなんでしょうね。


◎交流戦改革はもっと大胆に!

 DHの話が出ましたけど、今季の交流戦では、セ・リーグ主催試合でDH制が採用され、パ・リーグ主催試合では投手が打席に立つという、従来とは逆の施策を打ち出していますね。

 新たな試みとしておもしろいといえばおもしろい。でも、交流戦ももう今年で10年目。結構な年月が経っているからこそ、漫然と同じ形式で行うのではなく、もっと大きな変化が……たとえば、1カ月間と間延びしがちな現状の交流戦日程を2つに分けて、夏以降にも分散して行うとか。そういう大きな変化も必要なんじゃないかと思いますね。
(構成=オグマナオト)


『週刊野球太郎』ではプロ野球やMLBだけでなく、高校野球や大学野球などのアマチュア野球に関して、どこよりもマニアックな情報を発信し続けている。現在、立浪和義さんのインタビューを毎週更新! もちろん、本稿とは違う内容で、今年のプロ野球について解説していただきました。また、これから始まる高校野球と6月17日に発売する『野球太郎No.009〜夏の高校野球大特集号』に合わせた高校野球特集も始まります。おたのしみに!