現在、スマートフォンマガジン『週刊野球太郎』ではミスタードラゴンズ・立浪和義さんによる「プロ野球観戦講座」を連載中。今季のプロ野球の動向や観戦のコツを解説してもらっている。その中に収まり切らなかった、自身の現役時代のエピソードを改めて振り返ってもらった。

◎野球はやっぱり、外のグラウンドでやるのが一番

 昨年のWBCでは「侍ジャパン」のコーチとして、ユニフォーム姿でアメリカの球場を体感することができました。やっぱり、向こうの球場は雰囲気がありますよね。個々の球場によって外野の一部が狭かったり、形状がいびつだったりといろいろな特徴があるのもおもしろいです。そして何よりも、野球はやっぱり外のグラウンドでやるのが一番いいですよね。

 何人かの方から、僕が今の時代に現役ならメジャーに挑戦していたか? と質問されることがあります。そう言っていただけるのは嬉しいんですけど、僕にはそんな力はなかったと思いますよ。もっと体が大きければ、考えることがあったのかもしれないですけど……やっぱり、ストライクゾーンが外に広いのは、体が小さい自分のようなタイプには難しいですよ。リーチが届かないですからね。

◎通算二塁打数が歴代1位のワケ

 自分は体がそんなに大きくなかったですけど、決して当てるだけのバッティングはせず、常に「強く速い打球を打とう」と心がけていました。バロメーターとしては、左中間と右中間を抜ける打球を打っている時っていうのは調子のいい証拠ですね。その結果というか、それで通算二塁打数で歴代1位になることができました。

 まあ二塁打が多かったのは、まず僕がホームランバッターじゃなかったっていうのが一番の理由ですね。あとは、足が中途半端に速くもなく遅くもなかった(笑)。だから、特に二塁打にこだわりがあったわけではなく、たまたま二塁打が多かった、という感じです。

◎自分で自分の体を知って、ちゃんとケアをすること

 僕の現役時代といえば、1994年の「10.8決戦」が話題にあがります。でも、僕らは試合に負けてるんでね。肩を脱臼してしまったこともあって、個人的にはあまりいい思い出ではないんですよね。

 それよりも思い出深いのはケガ明けの打席ですね。僕は2年目のシーズンに後半戦はほとんど試合に出られなくなってしまうようなケガをしてしまったんです。でもその翌年、3年目の開幕戦で、先頭打者ホームランを打つことができたんです。「また、これからいける!」と自分でも自信になったし、嬉しかったですね。

 ケガは一度してみないと、自分自身で気をつけるようにならないのが難しいんですよね。調子がいい時は管理に意識が向かないじゃないですか。でも、ちょっとしたケガってちょっとした油断から生まれるものですから。

 その点、僕は1年目から肩を故障したことで、プロ入り後の早い時期に経験することができた。だからこそ、トレーナーの人にもマメに見てもらったり、自分でも体のチェックに気をつかうようになりましたから。

 たとえば、僕は炭酸飲料が好きだったんですけど、糖分を摂りすぎるとケガをしやすいと聞いて食生活も変わっていきましたからね。そのおかげで、現役生活を長く続けることができたんだと思います。

 まずは、自分で自分の体を知って、ちゃんとケアをすること。今であれば新しいトレーンングも導入されているので、そういうものもうまく取り入れながら、自分の弱い部分に筋力をつけたりしていく。

 かといって、体ばかりを気にしてもダメなんですけどね。いくらデカくても、技術が伴わなければ何もできない。そのバランスが大事なんだと思います。
(構成=オグマナオト)


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