「打てる捕手がいない」

 最近のプロ野球界でよく言われるようになったのがこれだ。

 確かに今シーズン、捕手で規定打席に到達したのはヤクルト・中村悠平と西武・炭谷銀二朗の2人のみ。少し物足りない気がするのも事実だ。

 そこで2015年、2005年、1995年、それぞれのシーズンで各12球団の最も多く打席に入った捕手の打撃成績を比較してみた。「打てる捕手がいない」という印象は果たして本当か?



【2015年】
高谷裕亮ソフトバンク)打率.175/1本塁打/16打点

大野奨太日本ハム)打率.194/0本塁打/10打点

田村龍弘(ロッテ)打率.170/2本塁打/32打点

炭谷銀二朗(西武)打率.211/4本塁打/35打点

伊藤光(オリックス)打率.271/1本塁打/28打点

嶋基宏(楽天)打率.219/4本塁打/18打点

中村悠平(ヤクルト)打率.231/2本塁打/33打点

小林誠司(巨人)打率.226/2本塁打/13打点

鶴岡一成(阪神)打率.229/1本塁打/15打点

會澤翼(広島)打率.246/6本塁打/30打点

杉山翔大(中日)打率.183/3本塁打/17打点

嶺井博希(DeNA)打率.237/5本塁打/26打点

*規定打席到達=中村、炭谷


【2005年】
里崎智也(ロッテ)打率.303/10本塁打/52打点

城島健司(ソフトバンク)打率.309/24本塁打/57打点

細川亨(西武)打率.194/8本塁打/32打点

日高剛(オリックス)打率.217/1本塁打/31打点

中嶋聡(日本ハム)打率.187/1本塁打/11打点

藤井彰人(楽天)打率.232/0本塁打/21打点

矢野輝弘(阪神)打率.271/19本塁打/71打点

谷繁元信(中日)打率.234/14本塁打/65打点

相川亮二(横浜)打率.259/8本塁打/46打点

古田敦也(ヤクルト)打率.258/5本塁打/33打点

阿部慎之助(巨人)打率.300/26本塁打/86打点

倉義和(広島)打率.210/4本塁打/22打点

*規定打席到達=城島、矢野、谷繁、相川、阿部

【1995年】
古田敦也(ヤクルト)打率.294/21本塁打/76打点

瀬戸輝信(広島)打率.256/2本塁打/22打点

村田真一(巨人)打率.265/13本塁打/38打点

秋元宏作(横浜)打率.200/5本塁打/19打点

中村武志(中日)打率.256/8本塁打/32打点

関川浩一(阪神)打率.295/2本塁打/30打点

中嶋聡(オリックス)打率.267/3本塁打/33打点

定詰雅彦(ロッテ)打率.185/3本塁打/20打点

伊東勤(西武)打率.252/6本塁打/43打点

田口昌徳(日本ハム)打率.200/5本塁打/13打点

吉永幸一郎(ダイエー)打率.293/8本塁打/34打点

古久保健二(近鉄)打率.191/3本塁打/35打点

*規定打席到達=古田、関川


 こうして比べるとやはり、今季の捕手たちの打撃成績は少し見劣りがする。特に意外だったのは、過去の捕手で「打撃が苦手」のイメージがあった選手も今季の捕手たちと比べれば、打っている部類に入ることだ。

 現在のプロ野球界では、攻撃タイプの捕手はすぐにコンバートされてしまう実情もある。しかし、捕手が打てるようになれば打線に厚みが増し、繋がる野球、さらには球場を熱くさせる野球が展開するように思える。

 10年後の12球団捕手陣の打撃成績はどうなるのか!? 打てる捕手の出現に期待が集まる。


文=落合初春(おちあい・もとはる)