様々な“一流”を持ち合わせた18歳。清宮幸太郎(早稲田実)の絶対に注目したい3つのすごさ
 今年の夏はなんといっても清宮幸太郎(早稲田実)の夏だ。西東京大会も進んでおり、本稿公開時点で早稲田実がトーナメントに残っているかどうかは神頼みだが、“打撃”だけではない清宮幸太郎の「すごさ」「見どころ」をまとめてみたい。

◎打席への入り方

 アマチュア野球では試合スピードが重視され、「全力疾走」は絶対的な美徳である。幼少期から植えつけられた日本野球の精神。そのため、多くの高校球児は無意識のうちにイソイソと打席に入るようになる。スピード感と淡白さは紙一重だ。

 しかし、清宮の登場はいつも威風堂々だ。決して焦らず地面をならし、バットを担ぎ上げる。高校野球デビュー当時からスター性が溢れ出ていた。清宮が打席に向かい、構えるだけでもワクワク感がある。

 自分の時間を作り、球場の雰囲気を一気に変える身のこなし。野球帝王学を生まれながらにマスターしている。

◎試合前のノック

 清宮の守備については賛否が分かれるところだが、やはり試合前のノックは見逃せない。守備向きの体型とは言えないが、想像以上に柔らかい動きに釘付けになる。手首の使い方が非常にうまいのは打撃にも通じるところだ。


 本人も「足は意外と遅くない」と言うように50メートル走は6秒台。失礼ながら、1980年代のパ・リーグのオジサンたちを思い出すようなモッサリ感はあるものの、あらためてじっくり見ると走守にいい動きが多々ある。今後、体が大人仕様に絞れてくれば……と多くの可能性を感じることができる。生観戦の機会があれば、ぜひ守備にも注目してほしい。


◎卓越したコメント力

 歴代高校球児のなかでも清宮のコメント力はずば抜けている。高校野球のコメントといえば、どこか紋切調であることが多いが、清宮は常にオリジナリティーのある言葉を用意している。

 将棋界のホープ・藤井聡太四段の「僥倖」「望外の結果」というような語彙型のコメントではないが、わかりやすい言葉で率直にスラスラと自分の思いを言葉に置き換えることができる。感性からの言語へと直結する能力が非常に優れており、清宮のコメントを見聞きするたびに感服してしまう。

 さらに囲み取材などではハキハキと大きな声でしゃべり、記者・ライター陣からは“気配り”が賞賛されている。打撃だけではない。さまざまな“一流”を持ち合わせた18歳。それが清宮幸太郎なのだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)