刺し子は日本の伝統手芸ですが、最近では可愛らしいデザインなどが多く、雑貨店でもよく見かけるようになりました。手ぬぐいもプリントされたデザインではなく、 一目一目糸を刺した柔らかい雰囲気と手触り が魅力的です。その材料が、100円ショップ商品で購入できるのは驚きですね。

さらに、布地に図案が入っているものや刺し子糸が何種類もあり、初めて刺し子に挑戦する人にはぴったりでしょう。今回は、初刺し子の筆者が100円ショップ商品を使ってふきんを作ります。また、 刺し子にぴったりな小物や雑貨 も紹介していますのでぜひご覧ください。

刺し子とは?

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刺し子とは、 日本から古く伝わる伝統手芸 です。刺繍と似ていますが、刺繍は布地に装飾をする目的に近いのに対し、刺し子は布地の補強や保温を目的としています。発祥地は定かではありませんが、東北地方などの越冬地域で広まったといわれています。

刺し子の 基本的な技法は運針(うんしん) です。和裁の基本的な縫い方でもあり、「なみ縫い」「ぐし縫い」と同じ意味で使われます。その運針を使って柄やイラストを刺す「模様刺し」や一定間隔で同じ方向に刺す「一目縫い」をして仕上げていきます。

こぎん刺しと刺し子の違いは?

こぎん刺しと刺し子は、使う糸の太さが違います。どちらも基本的に何本かの撚(よ)り糸が束ねてある状態です。 こぎん刺しは、撚りが甘く太い糸 に対し、刺し子は撚りが強く細い糸です。これは、使用用途に合った糸を使っているということになります。

ただし、 こぎん刺しは刺し子の一種 であり、日本の三大刺し子といえば青森県津軽のこぎん刺し、青森県南部の菱刺し、山形県の庄内刺し子を指します。こぎん刺しやこぎん柄という言葉が人気になり広く知れ渡るようになりましたが、厳密にいうと刺し子の仲間と認識してもよいでしょう。

刺し子でミニ花ふきんを作ろう!

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今回はなみ縫いで花柄のふきんを刺し子で縫っていきます。100円ショップには図案がプリントされているふきんがあるので、お好みの柄を選びましょう。 柄は水で消える ので、完成した後は水通ししてください。刺し子糸も刺し子針も100円ショップで購入できるのでとてもはじめやすいですよ。

材料

  • 刺し子の図案が書いてある布地
  • 刺し子糸
  • 刺し子針

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刺し子用の布地は、図案入りのものが100円ショップに売っています。すべてふきんですが、 コースターにしたりくるみボタンに貼ってヘアゴム にしたりすることもできます。刺し子糸と刺し子針も専用の商品があり、初めて刺し子をする人も選びやすいでしょう。

こぎん刺しの針は先が丸いのに比べ、刺し子は先端がとがっています。刺し子糸もこぎん刺しの糸よりかなり太めです。家にあるもので代用も可能ですが、 針穴の大きさと糸の太さが合ってないときれいに刺せない ので注意してくださいね。

作り方

① 外側を図案に沿って縫う

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まずは、外周を縫います。 点線でガイドされているので、その通りになみ縫い で縫えば問題ありません。慣れない時はひと針ずつ縫ってもよいですが、スムーズに縫えるようになったら針と布地を動かして何針かまとめて縫うと時短です。

また、刺していくと布地がよったりたわんだりします。 何針か縫うごとに布地をしごいて平ら にしてください。この作業をこまめに行うことにより、最後の仕上がりが変わってきます。

② 中の図案を縫う

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中の図案も点線に沿って縫っていきます。今回は 点線2目をひと針 として縫っています。縫い方は色々あるかもしれませんが、ひと針の長さを均等にする場合は図案の点線を目安に刺すとわかりやすいでしょう。

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また、刺し子はできるだけ玉結びはせず、 はじめと終わりは糸を重ねて縫う ようにします。そうすると玉結びの違和感がなくなります。中の縫い方もひとつのデザインずつというよりは、同じ方向を順番に縫った方が糸の方向が均一できれいに見えますよ。

③ 全部縫ったら、中表にしてふきんの形にして完成

最後は中表にして外周の点線から約1cm外側を縫います。とじ口を約10cmほど残して表に返し、とじ口を塗ったら完成です。 仕上げとして優しく水通し をしてあげると図案の点線が見えにくくなります。

刺し子柄の雑貨おすすめ3選

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刺し子にはシンプルな柄から華やかで可愛らしい柄などたくさんパターンが存在します。すべてが和風な柄ではないので、 様々な洋服や雑貨にもワンポイントとして使える でしょう。そこで、刺し子が初めての人でもあまり失敗せず作れる雑貨を紹介します。

刺し子柄のコースター

一番手軽で簡単にできるのが、刺し子のコースターです。刺し子柄がプリントされた布地と裏地、あとは布地がよれないように中に キルト芯か接着芯をいれると洗っても布地が伸びない でしょう。最近では接着できるキルト芯があるので、それを使うと時短で便利です。

作り方は、表面にキルト芯と合わせて刺し子を縫い、裏地と中表にして端をなみ縫いします。5cmほどのりしろを残したら、表に返してのりしろをふくろ縫いしたら完成です。 刺し子柄は、チャコペンやチャコペーパー で写しましょう。

刺し子柄のトートバッグ

トートバッグのワンポイントとして刺し子柄を縫えば、普通のバッグが大変身します。トートバッグに直接刺してもよいですが、布地に刺し子柄を縫い、それを ワッペンのようにトートバッグに縫い付け てもアクセントになります。

刺し子は本来、飾りではなく補強や保温のために洋服に縫われた手芸の技法です。トートバッグの底がどうしてもすり減ってしまうと感じたときは、 刺し子を施せば補強にもなり可愛いデザインとしても人目をひく こと間違いなしです。

刺し子柄のヘアゴム

ヘアアクセサリーにするときは、 くるみボタンを使って刺し子柄のヘアゴムを作る のが一番簡単です。くるみボタンの土台に刺し子柄の布地を当て、木工用ボンドなどで布地を接着したらヘアゴムをつける方の土台をかぶせて完成です。

ヘアクリップなどにしたいときは、フェルトをヘアクリップの形に切り取り土台にし、 刺し子柄の布地をかぶせたあと、まわりをなみ縫い します。フェルトごとヘアクリップにつけて、なみ縫いの糸を少し引っ張ると収縮するので、ヘアクリップの形に整えたらきれいに作れますよ。

刺し子をマスターして伝統技法に触れよう!

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昔は綿などで作られた洋服ではなく麻生地だったため、寒さを防ぐとき刺し子を用いてしのいだそうです。これは、 イギリスの伝統手芸であるダーニングとよく似ています 。ダーニングは、穴が開いた場所をダーニングマッシュルームという道具を用いて糸で穴をふさいでいく技法です。

最近では、素朴なデザインと細やかな技法によって飾りとして広まっていますが、あらためて刺し子をすることによって、 昔の人の知恵がつまった技法 だと感じますね。刺し子を始めようとするきっかけは様々ですが、ぜひ歴史を感じながら作品を作ってみてくださいね。


余暇プランナー:sorayou