終息したらまず行きたい!海の見える温泉旅へ出かけよう

桜は散り、草花が咲き乱れ、絶好の行楽シーズンに突入したにも関わらず、新型コロナウィルスの影響でインバウンドは疎か日本人観光客は一斉に街から消え、大打撃を受けているであろう観光業界の方々を思うと胸が痛みます。

人の行動が制限され、ストレスフルな日々はもうしばらく続きそうですが、いつの日か終息したら、果てのない海を眺めて、ゆっくり温泉に入って、美味しいものを食べて、ひたすら自分を甘やかして、五感が研ぎ澄まされるような旅に出たいところ。

まずは思い立ったらすぐに行ける、都心から近い、海の見える温泉旅館をご紹介します。

三浦按針(アンジン)ゆかりの地、伊東で船旅気分をとことん味わう滞在

星野リゾートが全国で展開している日本初の温泉旅館ブランド「界」の14軒目となる【界 アンジン】。

場所は静岡県伊東市。同駅には【界 伊東】もあり、さらに近隣には【リゾナーレ熱海】、【界 熱海(旧・蓬莱)】なども並ぶ、日本有数の温泉地です。新宿から高速バスで約2時間、新幹線を利用すればわずか1時間半ほどで利用できるアクセスの良さもまた人気の理由です。途中車窓から望める富士山、次第に相模湾やパームツリー…と変わりゆく景色を前に、徐々に気分が高揚して、この旅への期待が高まります。

実は伊東市は、英国人航海士ウィリアム・アダムス(三浦按針)による日本初の西洋式帆船が造船された地であり、その歴史にちなんで、地名に代わって名付けられました。西洋人としては初めて“サムライ”となった彼が、徳川家康から授かった日本名がまさに、三浦按針だったそう。
彼が生きた時代や航海の知恵を至る所で感じられるひと時です。

温泉旅館の概念を覆す全室オーシャンビューのマリンアンティークな客室

チェックイン時にボーディングパスを託されるところから、この船旅がスタート。

ロビーには波をモチーフにした素焼きのオブジェや、船材集積アート、トラベルライブラリーなど、随所に海や船にまつわるデザインが施されていて、まさに航海気分を味わえる演出が至る所に施されています。

日本の温泉旅館としては珍しい、モダンでスタイリッシュな内装は、無印良品やパークハイアットソウル、グランドハイアットドバイなど、国内外の商業空間を数多く手掛けて来た、杉本貴志氏率いる“スーパーポテト”がデザイン。

45ある客室は全室オーシャンビューでありながら、全室ともテーマ性のあるご当地部屋(全国の界ブランドにある、滞在を通して地域の文化や特色に触れられる特別室)です。【界 アンジン】のご当地部屋「按針みなとの間」は、舵(かじ)や櫂(かい)など、かつて実際に航海で使われて来た船具や古材を取り入れたアートワークが特徴的。スイートルームにはアンティークな音を楽しめるレコード機器もあり、海図を広げて望遠鏡で大海原を眺めたくなるような、浪漫を掻き立てるアーティスティックな空間です。

今回はツインベッドでしたが、シングルを三つ並べたトリプルベッドのお部屋もあり、家族旅行や小グループ旅行にも最適です。「ふわくもスリープ」というオリジナルマットレスは、芯で身体をしっかりと支えながらも、ふわっとした寝心地はまさに雲のよう!静かな波音に包まれながら、大人も子供も熟睡できること間違いなし。

大海原を一望できる絶景露天風呂と展望デッキ

中でも注目は、太平洋を一望できる最上階の大浴場です。眼下に広がる大海原を切り取った開放的な内風呂と、海風を感じられる岩造りの露天風呂の二種類があります。弱アルカリ性の温泉は肌に優しく、旅の疲れを癒してくれます。

さらに同じフロアには、船の甲板をモチーフにしたという展望デッキがあります。「サンブエナデッキ」の名は、三浦按針が造船した帆船の名に由来しているそう。
デッキからは空のグラデーションが美しい朝焼けや薄暮、月の灯りが海に反射して導き出すムーンロード、夏場は地元の花火大会など、季節ごとにダイナミックな景色を満喫できます。

湯上がり処では、インディアペールエールやぐり茶、アイスキャンディなどを無料で提供しています。ゆったりとしたソファで、海風を浴びて湯涼みしながら美味しいビールをグイッと一杯。あゝ至福のひと時。こうしたちょっとした心遣いが星野リゾートファンを魅了する所以かもしれません。

伊東の恵みに英国のエッセンスを加えた和会席

お待ちかねの夕食は、伊豆らしさを感じる食材に、三浦按針の出身地でもある英国のエッセンスをプラスした和会席です。
食事処のパーテーションもまた、スーパーポテトのセンスが光る造りになっています。古書、カラーアクリル、ワイヤー、段ボール、染布など、13種類もの素材で構成されています。

例えばイギリスを象徴するハイティーツリーをイメージした三段階の器を用いた八寸。そこには海老の松風、鱒の木の芽寿司、五色饅頭といった和惣菜が美しく盛り付けられていてフォトジェニック。

伊豆名産のニューサマーオレンジの風味を楽しめる先付、伊勢海老や金目鯛などの出汁のうまみを楽しめるブイヤベースなど、伊東の恵みを感じるたくさんの海の幸を楽しむことができます。

界が提案する四季を感じるご当地旅


ご当地アクティビティとして、「青い目のサムライ紀行」という体験プログラムも通年参加できます。


宿の目の前に広がるオレンジビーチや按針メモリアルパークは、比較的穏やかな波でお散歩コースにぴったり。天気の良い日は初島や手石島を望めるとか。夕暮れ時の幻想的に染まる空を眺めながら、あるいは早朝の爽やかな海風や波音を感じながら、浜辺でゆっくりと時間を過ごすのも良さそう。

春は早咲きの河津桜が咲き乱れ、それに次いで日本八景の一つ、松川のソメイヨシノを愛でることができます。夏場は夕暮れ時のプライベートクルージングツアー、伊豆最後の秘境ヒリゾ浜へのボートツアー、例年7月下旬から8月には「按針祭」という夏祭りも開催され、クライマックスを飾る花火鑑賞は、【界 アンジン】が特等席となるそう。

アクティブに更新されているスタッフブログから、伊東の季節の移ろいを感じられます。
アンジンの“船旅”に思いを馳せて、一刻も早い終息を祈るばかり。

■施設詳細
名称:星野リゾート 界 アンジン
住所:〒414-0023 静岡県伊東市渚町5-12
公式サイト:https://kai-ryokan.jp/anjin/
アクセス:【車の場合】都心から約100分【電車の場合】東京駅から東海道新幹線で約55分/伊豆の踊り子で約105分+タクシーで約5分/徒歩で約15分
所要時間:100〜120分
予算:大人 一室1名22,000円〜

テキスト・撮影:渡辺由布子