沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が15日の記者会見で、すい臓がんが見つかり、切除する手術を受けたことを明らかにした。すい臓がんはどのような病気だろうか。

■早期発見が難しい「沈黙の臓器」

 すい臓は長さ20センチほどの左右に長い臓器で、胃の後ろにある。食べ物の消化を助けるすい液を作ったり、血糖値を調整するホルモンを作ったりする。がんの9割以上は、すい液をすい臓から十二指腸に送るすい管にできる。

 国立がん研究センターによると、すい臓がんによる年間の死亡者は肺、大腸、胃がんに次いで4番目に多い。体の深い所にあるすい臓は「沈黙の臓器」とも言われ、がんが発生しても症状が出にくく画像検査での早期発見も難しい。背中の痛みなどが表れた時には、周りの組織にがんが広がっているケースが少なくない。

 がんの進行度を示すステージで、最も進行した4で見つかるケースが全体の4割を超える。全ての部位のがんを合わせた5年生存率が約6割なのに対し、すい臓がんは1割を下回る。

■喫煙、糖尿病、肥満、慢性すい炎が発症に関係

 翁長知事に発見されたのは、4段階で軽い方から2番目のステージ2だった。主な治療法は手術でがんを切除し、その後、転移や再発を抑えるために抗がん剤を使う。抗がん剤治療は数週間に1度の通院で行うことが多い。

 周辺の血管に広がりがあるステージ3や、他の臓器への転移があるステージ4の場合は、手術でがんを切除しきれないので抗がん剤による治療が中心となる。

 すい臓がんが起きる原因ははっきり分かっていないが、喫煙、糖尿病、肥満、慢性すい炎が関係している。すい臓に袋状の嚢胞(のうほう)がある人や、血縁のある家族にすい臓がん患者がいる人もリスクが高い。

 国立がん研究センター中央病院肝胆膵(すい)内科の奥坂拓志科長は、「リスクが高い人は特に、超音波などの検査を定期的に受けてほしい」と話している。