【杭州(中国浙江省)=小川直樹】中国国家統計局が9日発表した10月の消費者物価指数は、前年同月比3・8%上昇した。2012年1月以来、7年9か月ぶりの高い水準で、19年の政府の抑制目標(3%前後)を大幅に上回った。アフリカ豚コレラの 蔓延 まんえん で豚肉価格が前年同期に比べて約2倍に跳ね上がったことが響いた。

 豚肉は中国の食肉消費の6割を占める。中国政府は価格高騰に対する国民の不満を和らげるため、備蓄の冷凍豚肉を放出するなど対策に動いているが、供給不足は解消せず、前月比でも20%上昇した。豚肉の代替需要で牛肉は前年同月比20%、羊肉も16%上昇するなど食品価格の上昇が目立つ。

 同時に発表した工業製品の卸売物価指数は1・6%下落した。中国経済の減速と米中貿易摩擦の影響が重なり、原材料の需要が弱まっていることを示すものだ。製造業の業績への悪影響が懸念される。

 市場関係者の間では、物価上昇と景気減速が重なる「スタグフレーション」を警戒する声も出ている。