東京都調布市の住宅街で2015年7月、調布飛行場を離陸した小型プロペラ機が墜落して3人が死亡した事故で、住宅にいて死亡した鈴木 希望 のぞみ さん(当時34歳)の母の宏子さん(61)が13日、同飛行場を管理運営する都などを相手取り、約1億1000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 離陸直後の小型機が飛行場近くの住宅に墜落・炎上してから2年余り。事故を巡り、都の責任が民事訴訟で問われることになった。

 都のほかに被告となったのは、死亡した川村泰史機長(当時36歳)が代表を務めた「シップ・アビエーション」(調布市)と、小型機の整備をしていた「日本エアロテック」(同)。

 訴状などによると、川村機長を含め5人が搭乗した小型機は15年7月26日午前、同飛行場を離陸。直後に宏子さん方に墜落し、希望さんが死亡した。

 訴状で宏子さん側は、小型機の運航は、飛行技術を維持するための「慣熟飛行」として申請されたが、実際は同飛行場では認められていない「遊覧飛行」だったと主張。都には同飛行場の使用を認めた過失があると指摘した。また、シップ社などには川村機長に小型機を運航させた使用者責任があると主張している。

 事故を巡っては、警視庁が今年3月、無許可で客から料金を受け取り運航していたとして、川村機長やエアロ社社長らを航空法違反容疑で書類送検。運輸安全委員会は7月、小型機が重量超過などで失速したことが事故原因だとする調査報告書を公表した。

 提訴後に都内で記者会見した宏子さんは「飛ばさなければ事故は起きなかった。都の対応が事故の原因だ」と強調した。事故当時、自宅1階にいた宏子さんは外に逃げたが、2階にいた希望さんは10匹の犬などとともに亡くなった。

 提訴を受け、都港湾局は「訴状の内容を確認できておらずコメントできない」、エアロ社は「訴状を見てから的確な対応をしたい」とコメントした。