海外旅行の“お土産”に薬が効かない耐性菌を持ち帰らないで――。国立国際医療研究センター病院(東京都)は、海外旅行中の下痢や腹痛で安易に抗菌薬(抗生物質)を服用すると、耐性菌を国内に持ち込む恐れがあるとして注意を呼びかけている。

 同病院が6月にインターネットでアンケートしたところ、東南アジアや南アジアに旅行した経験がある20〜60歳代の男女331人のうち、63%が旅行中に下痢や腹痛になったことがあった。予防のために日本から抗菌薬を持参・服用していた人も43%に上った。

 特に、バックパッカーが多い20歳代男性では、85%が下痢・腹痛を経験。抗菌薬を持参・服用した割合も79%と高かった。

 抗菌薬の入手は、国内では医師の処方箋が必要。海外旅行に持参したという抗菌薬は、過去に治療で処方されたり、家族が使ったりした残りが考えられる。

 同病院によると、抗菌薬は薬ごとに効く細菌が決まっており、タイプが違うと効果がないだけでなく、腸内の細菌バランスが崩れるなどして、耐性菌を増やす危険がある。下痢の原因がマラリアや腸チフスなどであれば、診断が遅れ、命にかかわる恐れもある。

 予防・対応策として〈1〉こまめに手洗いをする〈2〉生の野菜や果物、屋台での食事は避ける〈3〉軽い下痢なら整腸剤で様子を見る〈4〉重い場合は現地の医療機関にかかる〈5〉自己判断で抗菌薬を服用しない――ことなどを挙げている。