大学の役員・職員にパワーハラスメントなどの不適切な行為を行ったとされた北海道大の名和豊春学長(66)が30日、国立大学法人法に基づき、学長を解任された。文部科学省によると、学長の解任は、2004年度の国立大の法人化以降、初めてとなる。昨年7月に北大学長選考会議が文科相に解任の申し出をしてから1年。極めて異例の判断が下された。

 文科省は申し出を受け、選考会議から提出された調査報告書や関係者の面談記録、名和氏から提出された陳述書などをもとに調査した。

 その結果、選考会議が挙げた大学役職員へのパワハラなど30件のうち、28件を事実と確認。ただし文科省は、いずれもパワハラとは正式に認定せず、「役職員に対する不適切な行為」が18件、「対外的な大学信用失墜行為」が2件、「大学代表者及び研究者としての問題行為」が3件、「学長としての資質を疑われる行為」が5件あったとした。

 文科省は、3月には名和氏に聴聞を実施。これらを踏まえ、同法が定める「(国立大学法人の)役員に適しない」として萩生田文科相が学長解任処分を決めた。

 名和氏は報道陣に対し、「私は大学改革を進めていただけ。大学は気に入らない者を排除するということなのか。解任はまったく承諾できない」と述べた。

 名和氏の学長解任について、北大は1日に記者会見し、石山喬・学長選考会議議長や笠原正典副学長らが経緯を説明する。

 名和氏を北大学長から解任したことについて、萩生田文科相は30日の閣議後記者会見で、「北大学長選考会議の申し出を重く受けとめ、慎重に判断した。このような事態になったことは誠に遺憾」と語った。

 その上で、「国立大学で1年以上、学長が不在という不正常な状態を続けるのは、学生に与える影響も大きい」と、解任を決めた理由を述べた。

 名和氏の学長解任を受け、北大生からは困惑の声が上がった。

 法学部2年の男子学生(21)は「経緯や問題点を知らされない上に、突然の解任で驚いた。学生がなおざりにされているような感じで、大学はきちんと説明してほしい」と求めた。

 4月に入学した文学部1年の女子学生(19)は「北大は来年の五輪のマラソンコースになり、せっかくいいイメージがあったのに……。学長の解任や大学の説明不足など、外部に悪い印象を与えないだろうか」と不安を口にした。