新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、緊急事態宣言が発令中の4都府県(東京、大阪、京都、兵庫)から福岡県への移動が活発化していることが、NTTドコモのデータで判明した。発令日の4月25日以降、大きくは減らず、大型連休中には急増。25日と比べ東京都からは最大2倍、関西3府県からは同1・8倍となった。各自治体は不要不急の移動自粛を呼びかけているが、人の往来は抑え切れていない。

 携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」(午後3時台)によると、4月25日に緊急事態宣言が発令されたにもかかわらず、東京都から福岡を訪れた人は28日まで減らずに、ほぼ横ばいだった。連休が始まった29日以降は増加し、宣言発令日を基準にすると、5月2日に107%増に達した。3日は95%増、4日は84%増となっている。

 関西3府県からも同様の傾向で、2日は81%増、3日は72%増だった。

 4日午後、福岡市中央区の菓子店では数人の客が店外にも並んでいた。「最近は『大阪から来た』と話す観光客が1日数組は訪れる」。女性店長はそう話す。

 関西圏では3月に入って変異ウイルスが広がり、第4波が到来。大阪府では連日1000人前後の新規感染者が確認されている。店長は「大阪などからの来店はうれしい反面、感染リスクが高まり正直不安だ」と打ち明けた。

 関西から旅行に訪れた20歳代の男性は福岡市内の繁華街で「東京を避ければ感染リスクは高くないだろうと思った。ラーメンを食べたかったので来た」。福岡県柳川市で川下りを楽しんだという横浜市の男性会社員(23)は「東京に比べて福岡なら密を避けられると思った」と話した。

 一方、4日に福岡県から東京都、関西3府県を訪れた人は4月25日と比較して、それぞれ32%減、15%減だった。

 福岡県内の感染状況も深刻だ。4月28日の新規感染者は過去最多の439人に達し、県は5月1日、緊急事態宣言に準じた対策を取れる「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した。適用の決定を前に、県独自の対策を先行実施。県内全域の飲食店などに6日から営業時間短縮を要請するほか、劇場や映画館などの集客施設にも時短への協力を求める。

 福岡市の高島宗一郎市長は3日の記者会見で、東京や大阪などから福岡県内に人が流入している状況に触れ、「人の流れを少しでも止めたい」と危機感を募らせた。同県の服部誠太郎知事は「感染が拡大している地域との不要不急の往来自粛をお願いしたい」としている。