トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)・旧型プリウスの盗難被害が愛知県内で続発している。高値で取引される希少金属を含んだ排ガス浄化装置「触媒コンバーター」を狙った連続窃盗事件の可能性がある。希少金属の含有量は古い年式のHVほど多く、県警は盗難被害は新型車ばかりではないとして、防犯対策の強化を呼びかけている。

 長久手市のマンション駐車場では9月6日未明〜明け方、住人の会社員男性(57)が所有する2007年型プリウスが盗まれた。車は豊田市内で見つかり、車内の預金通帳は手つかずだったが、車底部の触媒コンバーターがなくなっていた。

 トヨタによると、触媒コンバーターは炭化水素などの排ガス成分を浄化する装置で、高温にさらされても性能を維持するため、耐久性の高いプラチナやパラジウムなどの希少金属が使われている。停車時にエンジンが止まるHV用のものは、ガソリン車のものに比べて劣化しにくいという。

 盗まれたプリウスの触媒コンバーターは翌日、長久手市内で積載車に載せられていたナンバープレートのない乗用車内から見つかり、県警は、近くにいた自動車整備会社役員の男(41)ら2人をこの乗用車とプリウスを盗んだ容疑で逮捕した。

 県警によると6月以降、名古屋市東部とその周辺だけで、旧型を中心に約30台のプリウスが盗まれた。長久手市で被害に遭った車両も製造から10年以上が経過し、時価は10万円と、新車時の20分の1以下だった。一方、希少金属の取引価格は高騰し、パラジウムは10年前の約5倍に跳ね上がっている。触媒コンバーターは20万〜30万円程度で取引され、車両価格を上回ることもあるという。

 近年は技術革新で触媒コンバーターに含まれる希少金属の量が減っているといい、窃盗グループがあえて古い車を狙って盗みを繰り返している可能性もある。県警は「新車ではないからと油断せず、被害に遭わないようにハンドルロックや警報器などで二重三重の対策を」と訴えている。