【ソウル聯合ニュース】25年前の中国との国交正常化は韓国の成長に大きな追い風となったが、中国への過度な経済依存という副作用をもたらした。中国国内の悪材料が韓国経済に大きく影響することが増え、最近の米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備を巡るあつれきを機に依存度の高さに対する問題意識が強まっている。

◇対中輸出 25年で47倍に

 韓中両国の経済がいかに緊密な関係になったのかは、輸出入や投資額の変化から見て取れる。韓国貿易協会の統計によると、韓中が国交正常化した1992年には韓国の対中輸出額は26億5000万ドル(現在のレートで約2900億円)、中国からの輸入額は37億2000万ドルにとどまっていた。その後の貿易の拡大により、2016年には中国(香港を除く、以下同じ)向け輸出額が1244億ドル、輸入額が869億ドルと、それぞれ47倍、23倍に増加した。

 韓国は16年に中国との貿易で約375億ドルの黒字を計上し、これは貿易黒字全体の42%を占めた。韓国産業通商資源部の集計では、16年に中国は韓国の輸出総額の25.1%、輸入総額の21.4%を占め、最大の輸出・輸入相手国となった。

 国際貿易センター(ITC)によると、韓国は16年に中国の輸出総額の10.0%(1位)、輸入総額の4.5%(4位)を占めた。

 両国間の投資も大きく増えた。中国から韓国への直接投資額(申告ベース)は16年が20億4917万ドルと、1992年(105万6000ドル)に比べ1940倍ほどに増加した。韓国から中国への直接投資額は、同期間に2億2328万8000ドルから40億173万2000ドルへ約18倍に膨らんだ。

 経済構造の変化に伴い、貿易品目も変化した。1990年代初めには、韓国は対中貿易で自動車や鉄鋼製品、船舶、繊維機械などで黒字を計上していた。2000年代初めには自動車部品やコンピューター、通信機器部品、無線通信機器などが主な中国向け輸出品となり、10年以降は半導体や液晶ディスプレーなど技術力を必要とする製品で中国市場を攻略している。韓流ブームで化粧品輸出も増加した。

◇過度な中国依存に懸念の声

 中国への経済的な依存度の高まりは、中国の実体・金融経済の悪材料が韓国経済に大きく影響するという副作用を産んでおり、懸念の声が出ている。16年1月に中国株が暴落した際には、そのあおりで韓国株も一時急落した。

 最近では、中国が反対するTHAADの在韓米軍配備を韓国が決めたことで、韓国企業が経済的報復を受けている。中国は韓流コンテンツを国内から締め出したほか、韓国製化粧品の輸入を不許可としたり韓国旅行商品の販売を制限したりした。

 中国の産業構造変化を考えると、韓国の輸出戦略は遠からず限界に達するとの分析もある。中国政府が素材・部品の国産化を進めており、主要輸出品である中間財の輸出増が見込めないとの指摘だ。実際、中間財貿易の黒字が減り食品や消費財貿易の赤字が膨らんだことで、13年には628億ドルだった対中貿易黒字は16年には375億ドルに縮小した。また、中国国内の賃金が上昇し、生産拠点としての魅力も薄れている。

 韓国貿易協会・国際貿易研究院の研究員は「これまで協力によって得られる利益が大きく、中国にかなり依存していたが、中国で人件費が上昇し自国産業保護の傾向が強まり、両国が競い合うケースも出ている。中国への(貿易)集中が損をもたらしかねない」と述べ、過度な依存に警鐘を鳴らした。

◇専門家ら「対中戦略の見直しを」

 こうした中、専門家らは輸出品目の多角化など対中戦略の見直しが必要だと指摘する。中国の規制緩和や環境に配慮した成長戦略を考慮し、汚水・廃棄物の処理設備や風力などの再生可能エネルギー設備などに注目すべきとの意見もある。

 一方で、中国集中の弊害を克服するため、成長が見込める東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国やインドに市場を広げる「ネクスト・チャイナ」戦略も注目されるようになっている。