【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が8日、北西部・東倉里の西海衛星発射場で「大変重大な実験が行われた」と発表したが詳細は明らかにせず、実験の種類や意図に関心が集まっている。北朝鮮と米国が武力の行使にまで言及し緊張が高まっている中、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に使われる液体燃料のエンジン実験を行った可能性が高いとみられる。複数の韓国政府消息筋によると、情報当局は液体燃料実験を実施した可能性に重きを置きながらも、あらゆる可能性を念頭に分析を進めている。

 東倉里の発射場は過去、液体燃料のエンジン実験に使用されたほか、垂直の発射台が設置されているため、固体燃料ではなく液体燃料実験との見方が説得力を持つ。一般的に固体燃料は水平発射台で実験し、液体燃料は垂直発射台で実験するとされる。

 北朝鮮は東部・咸興で固体燃料の研究開発と生産を行っているとされ、固体燃料は東倉里に運んで実験する必要がないとの分析もある。

 また、固体燃料は高い技術力が求められ、固体燃料の実験を実施した可能性は低いとの見解が多い。

 このため北朝鮮が言及した「重大な実験」は液体燃料の改良実験とみられる。

 過去に発射したICBM級の「火星15」と「火星14」に搭載された白頭山系列のエンジンが実験対象だったとみられる。火星15には旧ソ連製のエンジン「RD250」を模倣して開発したいわゆる「白頭山液体エンジン」が搭載された。火星15の第1段エンジンの推力は80トンと推定される。韓国国防部は当時、火星15の射程を1万3000キロと推定していた。シンクタンク・韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「少ない燃料でさらに高く飛行できるよう、白頭山系列のエンジンをアップグレードするため実験を行ったとみられる」との見解を示した。

 複数のエンジンを束ねた実験を行った可能性もある。4基のエンジンを束ねると320トンの推力を持つ。専門家らはこの推力だと500〜600キロの高度に1200キロの衛星体を打ち上げることができる推定する。

 衛星発射体とICBMは推進ロケットと誘導操縦装置など中核技術が同じで、高出力の新型液体型エンジンの実験を行ったとしても人工衛星の打ち上げに利用できる。対外的に人工衛星打ち上げのための技術開発だと主張できるメリットもある。

 このため、北朝鮮が米国に送るとした「クリスマスのプレゼント」は人工衛星の打ち上げとの見方が説得力を増している。一部からは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射が行われる可能性があるとの分析もある。

 韓国航空大の張泳根(チャン・ヨングン)教授(航空宇宙・機械工学)は「北が言及した『戦略的な地位の変化』は衛星発射のことのようだ」として、「ICBMの第1段エンジン技術と人工衛星発射技術が同じなので、米国に圧力をかける手段として衛星を打ち上げると思う」との見通しを示した。