【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日合意に反発した韓国の慰安婦被害者9人が国を相手に損害賠償を求めて起こした裁判で、ソウル高裁は26日、強制調停の決定を下した。

 裁判所は決定文に「2015年の慰安婦合意が被害者中心主義の原則に反したもので、被害者が精神的苦痛を味わったことを国が謙虚に認め、合意が慰安婦被害者問題の真の解決にならない点を明確にする」との内容を盛り込んだ。

 また「国は今後、被害者の尊厳と名誉を回復するための対内・対外的努力を継続する」との内容も含まれた。

 双方が決定文を受け取ってから2週間以内に異議を唱えなければ、確定判決と同じ効力が発生する。

 慰安婦被害者らは15年の慰安婦合意は11年の憲法裁判所の判断と異なるものであり、これによって被害者が精神的苦痛などを受けたため、生存者1人当たり1億ウォン(約942万円)の慰謝料を求めて訴訟を起こした。

 憲法裁判所は11年8月、慰安婦被害者の賠償請求権について、韓国政府が何の措置も講じなかったのは憲法に違反するとの判断を下した。慰安婦被害者は、15年の慰安婦合意は被害者の損害賠償請求権を実現するための努力をしないという政府の宣言であると主張している。

 一審では慰安婦合意に不十分な点があるものの、国家間の外交行為であり、違法性は認めがたいとし、原告敗訴となった。

 この日の控訴審の決定には一般的な損害賠償訴訟と異なり、賠償金額に関する内容が含まれなかった。

 一方で、合意により慰安婦問題が解決されたのではないとの内容が盛り込まれた。これは被害者が国に対し、「2015年の慰安婦合意は誤りであり、問題は解決していないため努力を続ける」と約束することを求めていたためだ。

 被害者側の代理人は「韓国政府がこの決定を受け入れ、日本政府に慰安婦問題に対する法的責任を認めさせ、被害者の尊厳と名誉が回復されるよう努力することを期待する」とコメントした。また合意に基づいて日本政府が拠出した10億円を速やかに返還するよう促した。

 一方、慰安婦被害者らは「慰安婦問題を巡る合意により人間の尊厳と価値、外交的に保護される権利、財産権などを侵害された」とし、同合意が違憲であるとの訴えを憲法裁判所に起こしており、憲法裁による判断が27日に示される。