【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年末の韓日政府間合意の違憲性判断を求めた訴えに対し韓国憲法裁判所が27日、違憲性判断の対象ではないとし却下したことについて、慰安婦被害者たちは失望を隠せなかった。

 旧日本軍慰安婦被害者を支援するソウル近郊の社会福祉法人「ナヌムの家」(京畿道広州市)に暮らす被害者6人のうち、姜日出(カン・イルチュル)さん(91)と李玉善(イ・オクソン)さん(92)は今回の訴訟に参加した。李さんは「ナヌムの家」でテレビのニュースを通じ、憲法裁判所の判断を見守った。姜さんは体の状態がよくなく、テレビを見られなかった。

 李さんは、「間違った合意なのに(訴えを却下したことは)あきれる」と失望を表明した。また、「わが国の(合意当時の)大統領、朴槿恵(パク・クネ)が悪い。日本人がお金を持ってきて被害者に渡して口をふさごうとする。それは駄目だ」と、合意の不当性を強調した。

 「ナヌムの家」に暮らす被害者たちは「交渉をやり直すべきだ。次世代のためにも日本の公式謝罪と法的賠償が必ず必要」と口をそろえた。

 同合意は15年12月に当時の朴槿恵政権と日本政府が「最終的かつ不可逆的」に解決すると約束したもの。慰安婦問題に関する日本政府の責任を認め、韓国政府が合意に基づき、被害者を支援する「和解・癒やし財団」を設立。日本政府が財団に10億円を拠出することを骨子とする。

 ただ、合意過程で慰安婦被害者らの意見が排除された上、合意の条件として韓国政府が二度と慰安婦問題を提起しないとの内容が含まれたことが明らかになり、韓国では不公正な合意との指摘が上がった。

 16年3月、姜さんら慰安婦被害者29人と遺族12人は憲法裁判所に、合意を違憲とするよう求める訴えを起こした。被害者側の代理の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」(民弁)は、「日本の法的な責任を問おうとするハルモニ(おばあさん)たちを除いたまま政府が合意し、彼らの財産権や知る権利、外交的に保護される権利などの基本権を侵害した」とした。

 こうした訴えに対し、憲法裁判所は「同合意は政治的合意であり、これに対するさまざまな評価は政治の領域に含まれる。違憲性判断は認められない」とした。