【ソウル聯合ニュース】韓国最大野党「自由韓国党」は9日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官を職権乱用容疑で大検察庁(最高検)に告発した。同党は報道資料で、「秋長官は昨日(8日)、職権を乱用して現政権の主な関係者たちがかかわった重大犯罪を捜査している検事たちを大挙左遷させる人事を一方的に断行し、職権乱用の疑いがある」と主張した。

 また秋氏が人事実施の過程において、検事の任命などで検事総長の意見を聞くように定めた検察庁法に違反したと指摘した。

 法務部は8日、チョ国(チョ・グク)前法務部長官の親族に関するスキャンダルや青瓦台(大統領府)による市長選介入疑惑などの捜査を指揮している大検察庁の幹部らを含む32人を13日付で交代する人事を発表した。これにより、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長の方針に従って捜査に当たっていた多くの検察幹部が大検察庁を離れることになった。

 同党は「秋長官が法的な手続きに反して無理に人事を強行した意図は自明だ」とし、権力を持つ人に対して捜査を行う検察を無力化し、現政権に近い人物を検察の要職に置くことで、青瓦台関係者が関与するさまざまな犯罪を隠すのが目的と指摘した。 

 一方、秋氏は9日の国会法制司法委員会で、今回の人事を決定する前に尹検事総長に配慮し、意見を出すよう何度も要請したが聞き入れられなかったと説明している。

 検察庁法を引き合いに出しながら「むしろ検事総長が法の定める命に背き、攻撃してきた」との強い表現を用いながら尹氏に非があることを強調した。

 また今回の人事については、地域性や検察官としての経歴などを考慮して配置したとし、「公平でバランスの取れた人事だと考える」と話した。

韓国の国民の一部は、強大な権限を持ち、どんな要人に対しても犯罪容疑をかけられる検察に恐怖心を抱いている。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は国政の最優先課題の一つとして検察改革に取り組んでおり、昨年末に国会を通過した政治家・政府高官らの不正を捜査する新機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」の設置および運営に関する法律の公布案を今月7日に閣議決定した。公捜処は大統領や国会議員、首相など政府高官、判事、検事などの職務に関する犯罪を捜査対象とする。このうち、判事や検事に対しては公捜処が直接起訴することができる。