【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地検は1日、サムスングループの経営権継承に絡み、グループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長を資本市場法上の不正取引行為および相場操縦、業務上背任などの罪で在宅起訴した。外部の専門家による検察捜査審議委員会は李氏について不起訴とするよう勧告したが、検察は李氏が経営権の違法な継承疑惑の最終責任者であり、受益者だと判断して法的責任を問うことを決めた。

 李氏は経営権継承への支援の見返りに朴槿恵(パク・クネ)前大統領らに賄賂を贈った罪で2017年2月に逮捕、起訴され、18年の二審で執行猶予付き判決となり釈放された。公判は現在も続いている。贈賄事件での起訴から3年半にして、新たな裁判を抱えることになった。

 検察は、元サムスン電子副会長兼未来戦略室長の崔志成(チェ・ジソン)氏、元サムスングループ社長兼未来戦略室チーム長の金鍾重(キム・ジョンジュン)氏ら、サムスンの関係者10人も同時に起訴。金融委員会の証券先物委員会がサムスンバイオロジクスを粉飾会計の容疑で告発したことを発端とする1年9か月の捜査に終止符を打った。

 検察はまず、15年に行われたグループ傘下のサムスン物産と第一毛織の合併について、李氏の安定的な経営権継承のためグループの未来戦略室主導で綿密に計画されたものだったと判断した。李氏も段階ごとに重要な報告を受け、承認していたとみている。

 2社は15年5月の取締役会を経て、第一毛織の株式1株とサムスン物産の約3株を交換する条件での合併を決定した。第一毛織の株式を23.2%保有していた李氏は合併後、持ち株会社格のサムスン物産の株式を十分に確保し、グループ支配力を強めた。

 検察は、この際に第一毛織に有利な合併比率にするため、第一毛織の株価を高く、サムスン物産の株価を低くする目的で、虚偽情報の流布、重要情報の隠蔽(いんぺい)、自社株買いによる相場操縦など、さまざまな不正取引が行われたと判断。その結果、サムスン物産は企業価値をきちんと評価されず、同社の投資家は損害を受けたと見なした。これに関しては業務上背任罪を適用した。

 捜査の発端となった、第一毛織の子会社だったサムスンバイオロジクスの会計に絡む疑惑についても、検察は故意の粉飾会計と判断し、李氏らに株式会社外部監査法違反の罪を適用した。

 検察は「サムスンは『最小コストによる継承と支配力強化』という総帥の私益のため、未来戦略室長の指示で合併を実行し、投資家の利益は無視した」と指摘。「これは明白な背任行為、資本市場法の趣旨をないがしろにした組織的な資本市場秩序のかく乱行為であり、重大犯罪だ」と批判した。

 李氏の起訴が妥当かどうかを話し合う検察捜査審議委員会は今年6月、李氏について不起訴が相当と勧告していた。検察は勧告に従わなかった理由について、「事案が重大であり、客観的な証拠が明白な上、国民的疑惑が提起された事件のため、司法の判断を仰ぐ必要があると考えた」と説明している。