【ワシントン聯合ニュース】世界の耳目が集まる米大統領選挙の結果は、朝鮮半島情勢にも直接的かつ重大な影響を及ぼす見通しだ。

 トランプ大統領が再選を果たせば、「米国第一主義」にのっとった外交・安全保障政策を継続すると予想される。韓米同盟に関しては米国の利益を優先する立場を強化し、在韓米軍駐留経費の韓国側負担増を一層強く迫ってくる見通しだ。対北朝鮮政策では非核化交渉の早期再開へ動くとみられる。

 一方、民主党候補のバイデン前副大統領が当選すれば、同盟国との連携による米国のグローバルリーダーシップ回復という大枠に沿った外交・安保政策を展開すると予想される。韓米同盟を強化し、対北朝鮮では原則に立脚した外交と実務交渉を土台に非核化努力を傾けると見込まれる。バイデン氏は先ごろ聯合ニュースに送った寄稿でも、こうした立場を示した。

◇対北朝鮮政策の行方は

 北朝鮮の非核化を巡る両氏のアプローチ方法は全く異なる。

 トランプ氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との2回の首脳会談などで見せたように、首脳間の合意による「トップダウン」方式を好み、再選した場合も同じ手法を取るとの見方が出ている。トランプ氏は8月の記者会見で、「大統領選に勝てば北朝鮮と速やかに交渉するだろう」と述べていた。

 ただ、再選をにらみ外交成果に執着していたトランプ氏が再選を果たせば、政権2期目の対北朝鮮戦略は違ったものになる可能性もある。トップダウンの交渉路線は維持する一方で、成果なく終わったベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談と同じ状況を繰り返さないよう、3回目の首脳会談へ拙速に動くことはないとの観測も出ている。

 一方のバイデン氏は、実質的な成果のない首脳会談は北朝鮮に正当性を与えるだけだと指摘し、前提条件なしでは金正恩氏と会わない考えを示してきた。

 北朝鮮との交渉では実務交渉から段階を踏んでいく「ボトムアップ」方式を提示する。北朝鮮の非核化という共通の目標に向け、同盟国の韓国、日本との連携を強化し、中国の関与も図るとの立場だ。

 バイデン氏は聯合ニュースへの寄稿で「私は原則に立脚した外交に関与し、非核化した北朝鮮と統一された朝鮮半島を目指して歩み続ける」と表明。トランプ氏のトップダウン方式ではなく、緻密な実務交渉を土台にアプローチする姿勢を改めて示した。

 バイデン氏は先月22日の大統領候補によるテレビ討論会で、核能力の縮小に同意する条件で米朝首脳会談も可能と言及した。ただ、同氏がこれまで北朝鮮への不信感を示してきたことを踏まえると、米朝関係の急進展は難しそうだ。

◇韓米同盟の懸案でもアプローチ異なる

 トランプ氏が再選すれば、韓米関係に荒波が予想される。米国は公正な負担を掲げ、米軍駐留経費の韓国側負担増へ圧力を強める見通しだ。要求を通すため、在韓米軍削減カードを切るとの懸念もある。

 一方、同盟関係を重視するバイデン氏が当選すれば、駐留経費負担や在韓米軍削減に関する圧力は相対的に小さくなるとみられる。同氏は聯合ニュースへの寄稿でもトランプ氏を念頭に、在韓米軍を撤収すると脅して韓国をゆするような行為はしないと言明した。