【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の偉人伝を刊行し、核兵器の開発やシンガポールでの米朝首脳会談、平昌冬季五輪への代表団派遣などを代表的な業績として紹介した。

 北朝鮮の韓国向け宣伝用ウェブサイト「わが民族同士」は28日、ホームページで「偉人と強国時代」と題した金正恩氏の偉人伝を公開した。620ページほどで、金正恩政権10年間の国防、外交、経済、社会、文化分野の成果を収めている。

 何より目を引くのは、核兵力を誇示した部分だ。「核には核で」と小見出しを付けたセクションで、2016年の水素爆弾(水爆)実験と翌年に行った大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験について詳細に説明したほか、ICBM「火星14」「火星15」の発射実験も取り上げた。

 同書は「強い威力の核兵力により、米国が一方的に核で威嚇する歴史を終わらせるべきだ」とし、これが金正恩氏の信条だと強調している。

 対外関係に関しては、まず米朝関係を巡り18年にシンガポールで史上初の首脳会談が開かれたことと、19年に南北軍事境界線がある板門店で首脳同士が面会したことを大きな成果と自賛した。

 一方で、合意なく終わった19年のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談については一切扱っておらず、板門店での面会時に立ち会った文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領にも言及しないなど、都合よく編集した様子がうかがえた。

 対韓関係では、18年の平昌冬季五輪への代表団派遣や同年の板門店での南北首脳会談を重点的に扱った。同年の平壌での南北首脳会談については「9月平壌共同宣言」という表現でのみ紹介し、具体的な説明は載せていない。対韓国での成果を説明した箇所で、文大統領に対する言及はなかった。

 同書は「軍事的な緊張状態の継続を終わらせることこそ、北南(南北)関係の改善と朝鮮半島における平和と安全のため何より急がれる問題だ」と指摘し、韓米合同軍事演習の中止も促した。

 友好関係にある中国やロシア、キューバなどとの関係も強調している。特に対中関係について「共同の偉業のための聖なる闘争の中で血によって結ばれた関係」だとし、金正恩氏が18年と19年だけで4回にわたり中国を訪れたことに言及した。