【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子をはじめとするサムスングループの主要各社は24日、2023年までの3年間に半導体・バイオなどの戦略事業に計240兆ウォン(約22兆5900億円)を投資し、4万人を直接雇用する計画を発表した。2018年に発表した180兆ウォンの投資計画を上回り、単一企業としては過去最大規模となる。

 ポストコロナ時代の未来事業への準備に拍車をかけるとともに、前大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏らへの贈賄罪などで服役し、今月仮釈放されたグループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長とサムスングループに対する社会的期待に応えるものと受け止められる。

 サムスン側は「コロナ後に予想される産業・国際秩序、社会構造の大変革に備え、未来に韓国経済と社会が直面する課題に対して企業としての役割を果たすためのもの」とし、「果敢な投資でコロナ後の産業構造改編をリードし、責任ある企業として韓国の難題解決と発展に寄与する」と説明した。

 李副会長は仮釈放された13日、ソウルのサムスン電子瑞草社屋に直行して経営陣と面会したほか、各事業部門の担当者と懇談会を開いて今回の投資・雇用案を議論したとされる。

◇未来事業に240兆ウォン投資 システムLSIで1位目標

 サムスンは240兆ウォンの投資額のうち、180兆ウォンを国内に投資すると明らかにした。

 先端革新事業を中心に大規模な投資を行ってグローバル産業構造の改編をリードし、大胆なM&A(合併・買収)による市場のリーダーシップ強化を目標とする。

 サムスン電子は半導体メモリー事業のグローバル市場で絶対的優位に立ち、システムLSI(大規模集積回路)への投資を拡大して世界1位への足掛かりを築く方針だ。同社は5月に開かれた「K半導体ベルト戦略報告大会」で、30年までにシステムLSI分野に171兆ウォンを投資し、ファウンドリー(半導体受託生産)工程の研究開発・施設投資を加速させると発表していた。米国の第2ファウンドリー工場をはじめ、システムLSI部門で今後3年間に最低50兆ウォン以上が投入されるとみられる。

 また、サムスン電子は大規模なM&Aのため人工知能(AI)、高速通信規格の5G、電装部門の買収先を検討している。

 同社の関係者は「グローバル半導体市場の覇権争いが激しくなる中、会社だけでなく韓国経済の基盤産業である半導体の生き残りのために攻撃的な投資を決めた」と説明した。

◇バイオ産業を「第2の半導体」に 5G、AIなど第4次産業革命の主導権強化

 サムスンはポストコロナ時代に備え、バイオ事業を「第2の半導体」として育てる計画だ。

 バイオ医薬品を手掛けるサムスンバイオロジクスを通じてバイオ事業に参入後、9年間に開発製造受託(CDMO)工場3カ所が完工した。現在建設中の第4工場が完工すれば、同社の生産能力は世界1位となる。

 バイオ後続品(バイオシミラー)を手掛けるサムスンバイオエピスは10番目の製品の臨床試験が始まり、既に5製品が世界で発売されるなど競争力を高めてきた。

 両社は今後、攻撃的な投資を続けてCDMO分野で第5、第6工場を建設し、グローバルバイオ医薬品の生産ハブとして絶対優位を確保する計画だ。

 また、バイオ医薬品以外のワクチンや細胞、遺伝子治療薬など次世代治療薬のCDMOにも新規参入する予定だ。

 サムスン側は「専門人材の育成、原材料の国産化、中小企業のバイオテック技術支援などを通じて国内のバイオ産業を活性化する」と説明した。

 次世代通信分野では、世界初の第5世代移動通信(5G)の商用化を達成した技術力を基にソフトウエアの技術力強化に集中的に投資し、新事業や製品ポートフォリオの拡大に注力する。

 AI、ロボット、スーパーコンピューターなど、未来新技術分野でも研究開発(R&D)を強化して第4次産業革命の主導権を握る方針だ。

 ディスプレー、バッテリー分野では既存の製品の限界を超える次世代技術でリーダーシップを強化する。

◇3年間に4万人を直接雇用 社会貢献を拡大

 サムスンは今後3年間に4万人を直接雇用すると明らかにした。通常の採用計画では3年間の雇用規模は約3万人だが、先端産業を中心に雇用を約1万人拡大することを決めた。

 また、国内で大規模投資を行うことで、56万人の雇用創出効果が生じると期待される。

 社会貢献・教育事業も強化する。代表的なプログラムである若者向けのソフトウエアアカデミーやスタートアップ企業の支援事業を拡大し、若者の就職難の解消と先端新成長産業の育成に寄与する方針だ。

 大企業と中小企業の格差解消のためには、基礎科学や基盤技術のR&D支援を拡大し、スマート工場プログラムを持続的に推進する。このほか、ファンドなどの協力プログラムを拡大して協力企業のセーフティーネットを強化する計画だ。

 サムスンの関係者は「今回の発表は、未来を切り開いて社会とともに進む企業として、来るべき3年間の変化に対する韓国経済と社会が直面する課題に対するサムスンの役割を提示したものだ」とし、「投資と雇用、共生を通じて韓国経済と社会全般の活力を高め、サムスンに対する国民の期待と願いに応えたい」と述べた。