【ホノルル聯合ニュース】国連総会出席などのため訪米していた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日午後(現地時間)、5日間の日程を終え、帰国の途に就いた。

 19日にニューヨーク入りした文大統領は20日に国連本部で開かれた持続可能な開発目標(SDGs)推進のためのハイレベル会合「SDGモーメント」で演説し、韓国が新型コロナウイルス克服や気候変動への対応など国際的な課題を遂行する上で先導的な役割を果たしていく考えを示した。「人類が国境を越えて協力することこそ危機克服の第一歩」と述べ、「韓国国民は皆が安全でなければ誰も安全ではないという『誰も疎外されない』包容的国際協力の旅路において、頼もしいパートナーとしていつも共にする」と語った。

 会合には世界的人気を誇る韓国の音楽グループBTS(防弾少年団)が「未来世代と文化のための大統領特別使節」として出席した。その影響で、会合のライブ配信の同時接続者数が100万人に達するほど大きな話題を集めた。

 また、文大統領は21日の国連総会での一般討論演説で、南北米または南北米中が朝鮮半島での戦争終了を宣言することを提案した。政権末期に膠着(こうちゃく)状態に陥った朝鮮半島平和プロセスの再稼働に向けた勝負手を打ったとの評価がある一方で、北朝鮮のミサイル発射など朝鮮半島を取り巻く安全保障情勢が厳しいなかで、実効的な提案とみるのは難しいとの指摘も出ている。

 新型コロナウイルスワクチンに関連する成果もあった。文大統領は21日、米製薬大手ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)と会談し、来年の新型コロナワクチンの追加購入と早期供給を巡り協議し、ワクチンの原材料を巡る協力強化などを柱とする韓米ワクチン協力協約の締結式にも出席した。韓国青瓦台(大統領府)はこれまで大企業中心だった韓米のワクチン協力が中小企業、ひいては素材・部品・装備(装置や設備)分野にまで拡大する土台を築いたと評価した。

 文大統領はニューヨーク滞在中に英国のジョンソン首相、スロベニアのパホル大統領、ベトナムのフック国家主席と相次いで会談した。ベトナムには来月中に100万回分以上の新型コロナワクチンを提供することを決めた。

 ニューヨークでの日程を終え、ハワイ州ホノルルに移動した文大統領は22日、第2次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争などで亡くなった米軍兵が眠る国立太平洋記念墓地(パンチボウル)を訪れ献花した。また、日本による植民地時代にハワイ移民として独立運動に貢献した独立功労者への勲章授与式と、朝鮮戦争で戦死した米軍の遺骨を本国に返還しハワイにある韓国軍戦死者の遺骨を国内に送還する式典に出席した。

 文大統領は23日午後(日本時間)に帰国する。