【ソウル聯合ニュース】韓国の保守系最大野党「国民の力」の大統領選候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長は12日、ソウルの外国人記者クラブで記者会見を行い、自身が当選した場合の韓日関係について、1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が署名した韓日共同宣言のバージョンアップを標ぼうし、歴史問題や経済・安保協力を網羅した包括的な解決策を模索すると表明した。

 尹氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権の対日外交について、「対日関係を国内政治に巻き込んだ」として「対日関係が存在しているのかというほど外交自体が消えた状況」と批判。また「在日韓国大使館の関係者が日本の外務省ときちんとコミュニケーションを取っているか疑問」とし、「コミュニケーション自体がほぼ断絶しているのではないかと考えている」と指摘した。

 また「現政権に入ってから対日外交がほぼ壊れ、それが韓中関係と韓米関係にも良くない影響を与えている」との認識を示した。そのうえで「価値と利益を共有して信頼を重ねていく韓日関係の新しい50年を描く」と述べた。

 北朝鮮核問題については、「予測可能な段階的非核化のロードマップを提示する」としたうえで「北の非核化のための国際協力をリードする」と述べた。

 また「北の指導部が決断さえ下せば、非核化の進展にともなう経済支援や協力事業を推進する」とし、非核化以降に備え、南北共同経済発展計画づくりも進めると表明した。

 そのほかに、南北軍事境界線のある板門店や米ワシントンに韓国、北朝鮮、米国による3者会談を行う場所を作り、いつでも会談できる環境を設けるプランも披露した。

 ただ、朝鮮戦争の終戦宣言については、「終戦だけを分離して政治的宣言をすれば、副作用が非常に大きいと考える」とし、終戦宣言の推進に反対する立場を明確にした。

 そのうえで「北の非核化が不可逆的に進展し、広範囲な経済協力関係が成立すれば、平和協定や終戦宣言はいくらでも共に進めることができる」と強調した。 

 対米関係については、「包括的戦略同盟」の構築を基本とし、「世界の自由民主主義の陣営に加わる」と述べた。

 また中国へのけん制を意識した米日豪印による枠組み「クアッド」のワーキンググループに加わる必要があるとの立場を示したほか、北朝鮮の核の脅威に対応するため米英など5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」とも協力する必要があるなどと述べた。

 韓中関係については、「相互尊重の新しい協力時代を開く」とし、「高官級戦略対話」の定例化を推進すると述べた。

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を巡り中国との関係が悪化したことに関連しては、THAADを含むミサイル防衛システムをどの程度強化するのか、また韓米日で協調するのかという問題は安保状況によっていくらでもアップグレードできる韓国政府の主権にかかわる事項と強調。THAADの追加配備などの問題が中国に対する挑発のようにとらえられるのは遺憾との立場を示した。