【ソウル聯合ニュース】韓国軍の合同参謀本部は11日、北朝鮮が同日午前7時27分ごろ、内陸から朝鮮半島東の東海に向けて弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体を1発発射したと発表した。追加の発射に備え、韓米間の緊密な協力の下で関連動向を綿密に監視しながら備えを維持していると伝えた。

 軍当局は、弾道ミサイルとみられるこの飛翔体の飛行距離や高度などを分析中だという。

 北朝鮮の飛翔体発射は6日ぶりで、今年に入り2回目。5日に内陸部の慈江道から東海に向けて弾道ミサイル(北朝鮮は極超音速ミサイルと主張)1発を発射していた。

 11日も慈江道から発射したとされ、北朝鮮が「極超音速ミサイル」と主張する弾道ミサイルの性能試験のための発射を再び実施した可能性が取り沙汰されている。慈江道は北朝鮮が昨年9月、「極超音速ミサイル『火星8』」を初めて試射した場所でもある。

 11日のミサイルの飛行距離は、北朝鮮が5日の発射について主張した距離(700キロ先の標的に命中)と同程度だが、速度はマッハ10に近かったとされる。

 軍と専門家は、グライダー形と機動式再突入体(MARV)という2種類の弾頭部のミサイルのうち、どちらを再実験したのかを見極めようとしている。

 北朝鮮が昨年9月に初めて試射した「火星8」の滑空弾頭部はシャープなグライダー形態だった。軍は、滑空しやすいこうした形状は極超音速滑空体(HGV)に近いと説明している。

 これに対し、今月5日に発射したミサイルの弾頭部は円すい状で小さな翼がある。軍はこの形を根拠に、HGVではなくMARVを搭載した弾道ミサイルと判断した。

 韓国国防安保フォーラム(KODEF)のシン・ジョンウ専門研究委員は「今回も極超音速ミサイルを試射したようだ」と指摘する。極超音速ミサイルの開発では飛行体の耐熱素材、飛行性能と制御、極超音速下で発生するプラズマに影響を受けないセンサー、速度などの技術をテスト・検証する必要があるという。

 11日の発射は、国連安全保障理事会が北朝鮮による5日の発射を受けて非公開の緊急会合を開いた直後に行われた。会合は11日午前5時ごろ(日本時間)から始まった。

 トーマスグリーンフィールド米国連大使は10日(現地時間)、非公開会合の直前に声明を発表し、北朝鮮の大量破壊兵器追求は国際平和と安保に対する脅威だと指摘したうえで、非核化に向けた対話に応じるよう求めた。ただ、安保理全体としての声明は出されなかった。

 北朝鮮がこうした国際社会の動きをものともせずに再びミサイルを発射したことで、朝鮮半島情勢は膠着(こうちゃく)状態が続くとみられる。