【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が20日、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の再開を示唆した中、4月ごろ実施されるとみられる韓米合同軍事演習が朝鮮半島情勢を左右する分水嶺(ぶんすいれい)になるとの見方が出ている。

 韓国軍と米軍は通常、上半期の合同演習を3月に実施するが、今年は韓国で大統領選(3月9日)が行われることを考慮し、4月への延期を協議している。感染拡大が続く新型コロナウイルスも影響を与えているもようだ。

 今年の合同演習では米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管に向けた、韓国軍主導の未来連合軍司令部の完全運用能力(FOC)検証を行う方針で、両軍にとって意味が大きい。両国の国防相は先月2日に開催された定例安保協議(SCM)で今年上半期と下半期の2回にわたって合同演習を実施し、FOC検証を行うことで合意している。

 こうした中、北朝鮮は年初から弾道ミサイルを相次いで発射。19日には金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が出席する朝鮮労働党中央委員会政治局会議を開き、2018年以降中止している核実験とICBM発射実験の再開を示唆し、韓米両軍が対応に苦慮している。

 北朝鮮は会議で故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕80年(2月16日)と故金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年(4月15日)を記念し、大規模な行事を開催するための準備も主な議題として採択した。金主席の生誕記念日は韓米合同演習の時期と重なる。

 このため、北朝鮮が韓米合同演習を口実に核実験とICBM発射実験のモラトリアム(一時停止)を一部解除するなど、実際的な行動に出る可能性がある。韓国・北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は北朝鮮がモラトリアムの解除を決めれば、早ければ2月16日前後、遅くても4月15日前後に実際の行動を取ることが予測されるとして、「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、中距離弾道ミサイル、長距離弾道ミサイル、核実験の順で(挑発の)水準を強めると思う」との見通しを示した。

 韓国国防部の夫勝チャン(プ・スンチャン)報道官はこの日の定例会見で、「軍は北の態度を見極めながら綿密に対応している」としながらも、「ただ、最近の相次ぐミサイル発射は深刻な脅威と評価しており、確固たる軍事対応態勢を維持している」と述べた。韓米合同演習に関しては、「新型コロナや国内日程、米軍の増員人数の展開日程などを総合的に考慮し、(米側と)緊密に協議している」と明らかにした。