【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が25日夜に首都・平壌の金日成広場で実施した朝鮮人民革命軍(抗日遊撃隊)創建90年記念の閲兵式(軍事パレード)の模様が26日夜、朝鮮中央テレビで放送された。録画映像はスカイダイビングやエアショー、マスゲーム、浮橋からの花火打ち上げなど目新しさと華やかさにあふれていた。4月は重要な記念日が集まっており北朝鮮は祝賀ムードの盛り上げに努めてきたが、閲兵式がクライマックスを飾ったことになる。

 朝鮮中央テレビは26日午後8時から2時間20分にわたり、閲兵式を録画中継した。

 これまでの閲兵式でもドローン(小型無人機)を用いたことはあるが、今回はライトを身に着けた航空陸戦兵が4500メートルの上空からスカイダイビングするスリルある演出で人々を引き付けた。航空陸戦兵は空中で円を描きながら花火に点火し夜空を明るく彩った後、大型の国旗とともに広場に着地した。

 約20機の戦闘機が夜間エアショーを繰り広げ、大同江に設置された浮橋からは花火が次々打ち上げられた。功勲国家合唱団は繊細な人文字で、2丁の拳銃と「4・25」「擁衛」、朝鮮労働党のロゴなどを広場に浮かび上がらせた。

 録画映像は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の人間味ある姿も映し出した。国旗掲揚に合わせて国家を一緒に歌う途中、こみ上げる感情があるかのように目を閉じる姿が見られた。また、演説で「愛する夫と息子娘たちを国家防衛の前線に立たせたこの国のすべての家庭に心からの感謝のあいさつをささげたい」とし、拍手喝采を浴びた。

 金正恩氏は閲兵式で終始満ち足りたようなほほ笑みを浮かべ、両手の親指を立てたり、李炳哲(リ・ビョンチョル)党政治局常務委員と明るい表情で話を交わしたりしていた。

 大型電光板を使った演出も目を引いた。航空陸戦兵が訓練する様子を流し、ヘリコプターに乗り込んだ姿を映し出したところで、航空陸戦兵が上空に登場した。

 車に乗った金正恩氏がバイクに護衛されながら広場に移動し、夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏をともにレッドカーペットに立つ様子もしっかりと追った。

 この日、玄松月(ヒョン・ソンウォル)党副部長が金正恩氏夫妻に付き従う姿もあった。女性がもう1人補佐していたが、近ごろ公式の場で金正恩氏の儀典を担当し「第2の玄松月」と見なされた人物ではないようだ。

 一方、金正恩氏の妹で最側近の金与正(キム・ヨジョン)党副部長は、録画映像では姿が確認されなかった。

 大がかりな閲兵式には大勢の人々が出席したが、誰もマスクを着用せず、互いに密接した状態で歓声を上げたり話を交わしたりしていた。北朝鮮は今も、新型コロナウイルスの感染者は一人も出ていないと主張している。

 北朝鮮は今年、記念日の節目が続いた。故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕(2月16日)80年の後、4月には金正恩氏の党と国家トップ就任10年、故金日成(キム・イルソン)主席の生誕(15日)110年、朝鮮人民革命軍の創設(25日)90年を迎えた。

 こうした中、朝鮮人民革命軍創設記念日の25日午後10時から開催された閲兵式は、一連の行事のハイライトとなった。

 朝鮮中央通信や党機関紙の労働新聞などは26日午前11時ごろから、閲兵式の写真や金正恩氏の演説内容などを一斉に報じ始め、朝鮮中央テレビは午後8時から録画中継した。