【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権は新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた観光業の立て直しを目指し、2023年からの5年間で約3兆ウォン(約3080億円)の金融支援を実施する計画だ。ポストコロナ時代に合わせて観光振興法を改正し、官民合同の観光活性化プロジェクトにも取り組む。次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会が2日、こうした内容を盛り込んだ観光分野の国政課題を発表した。

 生き残りの危機に直面する観光業が立ち直るまで、金融・財政面の支援を継続する。観光基金による低利融資と信用保証付き特別融資は今年6300億ウォン規模だが、23年から5年間も年6000億ウォン規模で支援する。

 雇用維持に向けた観光業の「特別雇用支援業種」指定は、今年末までの予定を延長し、観光産業側が求める「雇用維持支援金」制度の改善も積極的に検討する。観光業の小規模の事業者・企業を対象にした被害支援金は、補正予算の成立後に別途支給する。

 政権引き継ぎ委は観光業を取り巻く環境の変化を受け、1987年に制定された観光振興法を改正することも決めた。観光事業は現在七つに分類されているが、新たな形態の観光事業も対象に含む分類にする。

 また、観光政策を官民で話し合う協議体を新設する。観光基金の拡大や、災害に備えた勘定科目の新設も検討する。

 一方、次期政権は国内旅行の活性化と外国人観光客誘致に向け、官民合同プロジェクトに乗り出す。まず今年6月に公共機関と自治体、旅行業が共同で「旅行に行く日」を催し、国内旅行の需要が夏の休暇シーズンまで続くよう喚起する。8月にはソウル市での観光フェスティバル「ソウル・フェスタ」と、ショッピング・観光の官民イベント「コリアグランドセール」を開催する。

 さらに23年と24年を「韓国訪問の年」(仮称「韓流観光の年」)に指定する予定だ。韓中日間の協力を強化して互いに入国手続きを簡素化し、北東アジア内の観光交流の拡大を目指す。

 中小企業従業員向けの休暇支援事業の対象を拡大するほか、障害者や高齢者、妊婦などが旅行をしやすい観光地づくりに取り組む。 

 政権引き継ぎ委は、各広域圏の観光開発による地方の観光活性化も重点的な推進課題に挙げた。

 先進技術を融合した観光分野のベンチャー企業を育てるため、企業育成ファンドを拡充したり観光公社の海外支社をベンチャー企業の海外進出の拠点に活用したりして支援を充実させる計画も示した。

 第4次産業革命に対応する「スマート観光都市」は現在の4カ所から27年には50カ所に増やす方針。観光関連のビッグデータを共有できる「韓国観光データラボ」機能も強化する。