【ソウル聯合ニュース】韓国で10日に開かれる尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の就任式に合わせ日本の高官が訪韓する見通しで、両国の関係改善に向けた動きが本格化するか注目される。

 韓国の大統領就任準備委員会は6日、就任式に出席する各国要人を発表し、日本からは知韓派として知られる鳩山由紀夫元首相が参加すると発表した。また、「閣僚級の派遣も予定されている」と明らかにした。閣僚級は林芳正外相の可能性が高い。派遣に向けた日本国内での関連手続きが完了すれば発表されるとみられる。

 日本外相の訪韓は2018年6月に韓米日外相会談のため当時の河野太郎外相がソウルを訪れて以来、約4年ぶりとなる。同年10月、韓国大法院(最高裁)が日本企業に強制徴用被害者への賠償を命じる判決を言い渡してから両国関係が悪化。ここに新型コロナウイルスの感染拡大まで加わり、両国高官の往来は途絶えていた。

 ただ、韓国大統領就任式への日本の出席者の格は過去より低くなった。08年の李明博(イ・ミョンバク)大統領の就任式には当時の福田康夫首相が出席し、13年の朴槿恵(パク・クネ)大統領の際は麻生太郎副総理(当時)が派遣された。

 尹氏は就任式後、鳩山氏や林氏と面会するとみられる。朴振(パク・ジン)外交部長官候補も林氏と面会する見通しだ。ただ、朴氏が就任式までに任命されるかどうかは不透明で、正式な外相会談になるかは未知数だ。

 尹氏と朴氏は林氏との面会で、両国の関係改善に向けた意志を積極的に発信するとみられる。米国が北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応と中国けん制のため、韓米日3カ国の連携を強調しており、韓米同盟のためにも韓日関係の改善は尹政権の重要な課題となる。

 日本側も同じ立場だが、実際の関係改善につながるかは不透明だ。強制徴用問題や日本の対韓輸出規制、旧日本軍の慰安婦問題、朝鮮半島出身者が強制労働させられた「佐渡島の金山」(新潟県)の世界文化遺産登録問題など難題が山積しているためだ。

 尹氏側は今月3日に発表した新政権の国政課題で、韓日関係について、「(首脳間)シャトル外交の再開を通じた信頼回復などを土台に共同の利益と価値に見合う未来協力関係を構築する」との方針を表明した。ただ、具体策は盛り込まなかった。

 日本が尹政権の発足に期待を示しながらも就任式に岸田文雄首相ではなく林氏が出席することは、両国が抱えている懸案解決は容易でないと認識しているためとみられる。

 韓国の外交消息筋は「尹政権が発足しても懸案がいきなり解決することはないと思うが、両国が解決策を模索するため再び力を入れるきっかけにはなれる」と述べた。