【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が辛勝した3月の大統領選の「延長戦」とも呼ばれた1日の統一地方選は、5年ぶりの政権交代で与党となった保守系「国民の力」の圧勝に終わった。焦点となった17の広域自治体(市・道)首長選で、同党は京畿道、全羅北道、全羅南道、光州市、済州道の5か所を除く12か所を制し、全国の政治地図をシンボルカラーの赤で染めた。就任したばかりの尹大統領の政権運営に弾みがつきそうだ。

 前回の2018年は革新系の「共に民主党」が14か所を押さえる圧勝を収めたが、わずか4年で地方の政治権力の構図が一変した。先月10日に発足した尹錫悦政権を後押ししようとする世論、さらには選挙直前まで党内で内紛を続けた巨大野党の共に民主党に対する国民の冷ややかな視線を映した選挙結果とも指摘される。有権者は政権のけん制よりも安定を選んだ格好だ。まだ発足から1か月もたっていない新政権に対する野党のけん制論が通じなかったともいえる。

 国民の力は3月の大統領選勝利に続く地方選の圧勝で、中央に加え地方の「完全な権力交代」を成し遂げた。保守系の朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾後、壊滅状態にあった保守政党が16年の総選挙、17年の大統領選、18年の地方選、20年の総選挙と続いた全国規模の選挙での連敗を断ち切ったという意味もある。

 そもそも、尹政権発足から3週間ほどで実施された今回の地方選は、ご祝儀ムードから与党に有利とみられていた。

 検察から捜査権のほとんどを剥奪する法改正の強行、尹政権の初代首相の任命同意や補正予算案の処理の過程で国会議席(定数300)の過半数を占める共に民主党が見せた振る舞いが身勝手あるいは足を引っ張っているように映り、野党に不利に働いたとの分析もある。

 ただ、数の上では国民の力の圧勝ながら、有権者は政権けん制の余地も残した。注目を集めた首都圏の京畿道知事選で、共に民主党候補が国民の力候補との大激戦を制したためだ。有権者が野党を完全に無力化するほどの地方権力を与党に与えなかったとも受け取れる。

 地方選の勝利を追い風に、尹政権は国政課題の推進を加速させる見通しだ。大統領選で歴代最小の0.73ポイント差で辛勝した限界を超え、少数与党の政局を突破する勢いを得た。

 尹大統領は、公約に掲げた女性家族部の廃止に向けた法改正など、論争のある懸案は地方選後に先送りしていた。労働改革や年金改革といった野党との衝突が予想される国政課題の推進も、選挙結果に影響を受けざるを得なかった。

 国民の力は、地方選と同時に実施された国会議員補欠選でも7選挙区のうち5選挙区で勝利し、議席数を114議席に伸ばした。尹政権初期の国政運営の勢いを後押しする足掛かりを得た格好だ。ただ、少数与党の状況で国政課題を円滑に進めていくにはなお巨大野党の協力が欠かせないため、引き続き共に民主党との「協治(協力の政治)」を図るとみられる。一方、敗れた共に民主党は責任の所在や刷新を巡って党内が当面混乱する見通しだ。