【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、南西部の黄海南道海州市と康リョン郡一帯で「急性腸内性感染症」が発生したとして、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が医薬品を送ったと報じた。

 金正恩氏は5月にも自身の常備薬を住民に送っており、今回が2回目となる。

 北朝鮮で「腸内性疾患」とは腸チフス、赤痢、コレラなどの感染症を指す。

 金正恩氏は、急性腸内性感染症が疑われる人を隔離し、感染経路を徹底的に遮断するよう指示した。

 朝鮮労働党機関紙の労働新聞は同日、金正恩氏と夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏が並んで座り、送付する医薬品を確認している写真を1面に掲載した。

 1面で大々的に報じることで住民を落ち着かせる意図と分析されるが、新型コロナウイルスにより防疫が強化されている中で新たな感染症が広がったことで住民の不安や不満が高まりそうだ。

 これに先立ち、韓国情報機関の国家情報院は昨年10月、北朝鮮で水系感染症が広がっていると国会情報委員会に報告した。

 上下水道の施設が整っておらず、住民が十分な栄養を取れていないため、腸チフスなど先進国ではまれな病気で毎年相当数が亡くなっているとされる。

 韓国統一部の当局者はこの日、記者団に対して「北の保健医療インフラや能力は相当立ち遅れた状況だ」としながら、北朝鮮が希望すれば南北保健医療協力の一環として協力する用意があると表明した。

 韓国政府は先月、新型コロナ感染者の発生を発表した北朝鮮に防疫協力を提案したが北朝鮮はこれに応じていない。