【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は21日、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の2019年11月、船内で乗組員16人を殺害して逃亡し韓国への亡命意思を示した北朝鮮住民2人を北朝鮮に追放した事件を巡り、与党「国民の力」などが真相究明を求めていることについて、記者団に「まだ検討中」として「多くの国民が疑問視し、問題提起している」と述べた。2020年9月に黄海を漂流していた韓国の男性公務員が北朝鮮軍に射殺され燃やされた事件を巡り、海洋警察庁が2年前の中間捜査結果を覆し、男性が自らの意思で越境したと断定できる根拠が見つからなかったと発表したのに続き、追放事件も再調査する可能性を示唆した発言とみられる。文前政権側との対立がさらに激化する可能性がある。

 尹大統領は「いったんわが国に入れば憲法によって韓国国民と見なされる」としながらも「まだ具体的な報告は受けていない」と述べた。 

 事件当時、最大野党だった「国民の力」の前身の「自由韓国党」は「北の顔色をうかがっている」と批判し、国会による国政調査を求めていた。

 その後、弁護士団体が青瓦台(大統領府)の国家安保室長や警察庁長を相手取り、情報公開を請求したが、国家の安全保障上の理由から敗訴した。尹大統領が決断すれば事件当時、北朝鮮住民が提出した亡命意向書や捜査機関への供述書などが公開されるとみられる。これらの資料は公開できない大統領記録物ではない。