【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は27日、金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長の辞表の受理を保留することを決めた。尹大統領は同日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれるスペインに出発したため、辞表の受理は困難とみられる。

 警察を巡っては、行政安全部の諮問機関・警察制度改善諮問委員会が21日、検察の捜査権の多くが移管されることになった警察の権限の肥大化をけん制するため、同部内へのいわゆる「警察局」の設置を勧告。同部が警察を事実上統制することになったことに内部から強く反発する声が上がっている。また、警察が大統領の決裁を受ける前に幹部の人事を発表したとして、尹大統領が警察を厳しい口調で非難していた。

 文在寅(ムン・ジェイン)前政権で任命された金氏はこの日に記者会見を開き、「警察制度改善諮問委員会の議論に関連し、最適な方策を導き出すことができず申し訳ない」として、「現時点で私が辞任することが最善だという判断を下した」と述べ、辞意を表明した。金氏の任期は来月23日までだ。

 大統領室関係者は聯合ニュースに対し、「正式に辞表を提出すれば法が定めた手続きに従って処理する」と述べた。金氏が辞表を提出すれば検察の捜査や監査院の監査を受けているかなどを確認した後、受理するかどうかを判断するとみられる。

 大統領室内などからは金氏が記者会見で尹政権の警察改革の方向性に反対する立場を示したことについて「不適切」との指摘が出ている。大統領が外遊に出発する日に辞意を表明し、混乱をもたらしたとの批判もある。一部からは文前政権で起用された金氏に対し、「最後まで前大統領と(前与党の)『共に民主党』の『忠犬』のようだ」と憤慨する声も出ている。