【ソウル聯合ニュース】韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権下だった2020年に起きた北朝鮮軍による韓国公務員男性殺害事件と、亡命を希望していた北朝鮮の住民2人を北朝鮮に送還した19年の事件を巡り、検察が事件当時、国家情報院(国情院)の院長を務めていた朴智元(パク・ジウォン)氏と徐薫(ソ・フン)氏に対し出国を禁止する措置を取った。ソウル中央地検が15日、明らかにした。

 期間は1カ月で、検察の要請により、延長することができる。

 米シンクタンクの招きで米国に滞在中の徐氏については、帰国時に検察に連絡が入るという。

 朴氏については、黄海を漂流していた韓国の男性公務員が北朝鮮軍に射殺された20年9月の事件を巡り、諜報に関連した報告書などを無断で削除したとして国家情報院法違反(職権乱用)などの容疑で捜査が進められている。

 国情院は、公務員男性が自らの意思で北朝鮮側に越境したのではなく、漂流した可能性が高いとする国情院の内部文書について、青瓦台(大統領府)の指示を受けた朴氏が削除するよう指示したと見ている。

 徐氏については、海上で韓国軍当局に拿捕(だほ)された漁船に乗っていた北朝鮮住民2人を北朝鮮に送還した19年の事件を巡り、当時行われていた合同調査を強制的に早期終了させた疑いで国情院が告発している。北朝鮮住民2人は船内で乗組員16人を殺害して逃走中だったとされている。

 脱北者に関する合同調査は通常、半月から1カ月程度かかるが、徐氏はこれを3〜4日で終えるよう不当な指示を出した疑いが持たれている。

 検察は国情院で確保した資料の分析や、関係者への調査など事実関係の確認を終え次第、両氏を出頭させ調査する予定だ。

 また二つの事件と関連し、17年から20年にかけて国家安保室長を務めた鄭義溶(チョン・ウィヨン)前外交部長官や、19年から20年にかけて統一部長官を務めていた金錬鉄(キム・ヨンチョル)氏も告発されており、今後、両氏についても出国禁止などの措置が取られる可能性がある。

 韓国の非政府組織(NGO)、北朝鮮人権情報センターは先ごろ、北朝鮮住民の強制送還を決定した人、違法な決定の実施を指示した人、実際に実施した人はすべて人権侵害の加害者とし、鄭氏を含め、当時の青瓦台、政府、国情院、統一部、警察などの関係者11人を職権乱用などで告発した。