【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が与党「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)党代表職務代行兼院内代表に、同党の李俊錫(イ・ジュンソク)代表のことを「(党)内部に銃を向けていた」とするメッセージを送ったことで与党に再び混乱が広がっている。

 李氏に対する尹大統領の認識が確認されたとして党内は動揺している。対話アプリの画面を報道陣のカメラに捉えられ、尹大統領の私的なメッセージをメディアに露出させる形となった権氏への批判の声も上がっている。

 権氏は27日午前、国会で記者団に「(尹大統領の)私的なメッセージが私の不注意で流出、公開され、申し訳ないと思う」と頭を下げて謝罪した。権氏が謝罪するのは21日、国民の力の内紛や国会常任委員会の委員長ポストの配分が遅れたことなどについて陳謝してから6日ぶり。権氏は20日にも大統領室の「コネ採用」問題について謝罪している。

 李氏は性接待を受けた証拠の隠滅を教唆した疑惑が持たれ、党員資格停止6か月の懲戒処分を受けており、処分に尹大統領の意向が反映されたとの見方も出ている。だが、同党の宋彦錫(ソン・オンソク)院内首席副代表は記者団に「大統領が党務に関与したというようなものでは決してない」と述べた。成一鍾(ソン・イルジョン)政策委議長もラジオ番組で、「(李氏の処分に)尹大統領の意向が働いたというのは推測だ。私的なやり取りを拡大解釈することは望ましくない」と強調した。

 一方で、国民の力の重鎮は聯合ニュースに対し、「公開されたメッセージを見れば党執行部が竜山(大統領室)の指示にそのまま従うか、竜山からの命令を遂行しているようなスタンスを取っていると国民は見るだろう。今すぐ正すべきだ」と指摘した。

 国民の力の内部では今回の騒ぎを受け、権氏のリーダーシップを問題視する声も出ている。同党の議員は「代表就任後の3か月で謝罪を何度もしている。リーダーシップが不安だ」と批判した。

 ただ、党執行部の交代につながる可能性は高くなさそうだ。混乱なく党執行部を交代できる手立てがないためだ。