【世宗聯合ニュース】韓国政府は30日、歳出総額639兆ウォン(約65兆6000億円)の2023年度(1〜12月)政府予算案を閣議決定した。22年度の本予算に比べ5.2%の増額となる。増加率は17年(3.7%)以来、6年ぶりの低さだ。

 22年度の補正予算も含めた歳出規模は679兆5000億ウォン。翌年度の本予算が補正予算を含む前年度の歳出を下回るのは13年ぶりとなる。複合的な経済危機の状況で財政の安全弁を確保するため、文在寅(ムン・ジェイン)前政権の拡張的財政から健全財政へ財政基調を全面的に転換する。

 政府は23年度予算案で、過去最大規模となる24兆ウォン相当の支出構造調整を実施した。新型コロナウイルス流行による経済危機を克服するための一時的な支援措置は終了することを決め、公務員の報酬は書記官(4級)以上は据え置き、長官(閣僚)・次官級は10%返上とした。

 こうした基調転換の結果、23年度の管理財政収支の赤字は58兆2000億ウォンで国内総生産(GDP)比2.6%となり、22年度の予測値である110兆8000億ウォン(GDP比5.1%)から約半減する。管理財政収支は統合財政収支から国民年金や雇用保険など社会保障性の基金を除いた収支。

 また、政府債務残高は22年度の1068兆8000億ウォン(GDP比49.7%)から23年度は1134兆8000億ウォン(同49.8%)となり、増加ペースは鈍化する。

 新型コロナを受けた一時的な支出の終了と財政分権の影響で、中央政府の産業、中小企業、エネルギー分野の23年度の歳出は18.0%、社会インフラ分野は10.2%、文化、スポーツ、観光分野は6.5%、それぞれ減少した。

 政府はこうした財政引き締めで捻出した予算を庶民や社会的弱者の保護に振り向ける。

 社会福祉分野の23年度の歳出増加率は5.6%で、歳出総額の増加率(5.2%)を上回る。低所得層や児童・青少年、障害者ら社会的弱者に対する歳出だけを見ると、増加率は12%に達する。

 民間主導の経済を支える投資にも重きを置く。半導体の専門人材育成、研究開発(R&D)、インフラ構築に総額1兆ウォンを投じ、原子力発電分野のエコシステム(生態系)復元を目指して小型モジュール原子炉、原発解体技術の開発などを支援する。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の国政課題の実現にも11兆ウォンを投じる。兵士の給料を引き上げるほか、0歳児を育てる世帯に手当を支給する。